セルフコーチングのやり方を学んで潜在意識に働きかけ価値観を変える講座

セルフコーチングはその言葉の通り、プロのコーチに依頼することなく、自分が自分自身のコーチとなって心の働きや行動、習慣を客観的に観察し、円滑に目標達成へ導けるよう働きかけるために実施するもので、独学でコーチングを実践しようとしている方に関わらず、プロのコーチにとっても、すでにプロのコーチからパーソナルコーチングを受けている方にとっても、確実に習得しておかなければいけない最重要スキルです。

昨今の具体的なコーチング理論や実践方法には様々な流派があり、それぞれ考え方も変わってきますが、効果的なセルフコーチングを実践するにあたって必要になるあらゆる知識や技術にはコーチングの基礎が詰まっており、自分で自分自身をコーチングするという部分へのデメリットはあれど、コーチングにおける基本的な考え方や効果を発揮するための重要なポイント、言葉では説明するのが難しいようなコツを体得する為に必要不可欠な要素となっているため、ここがしっかりとできているかどうかでコーチングそのものに対する印象も大きく変わってきます。

セルフコーチングを上手に実践できる人は当然自分自身の目標達成や問題解決において困ることがありませんし、プロのコーチとして活動しているかどうかに関わらず、いつも自分自身に働きかけているように他人に対しても働きかけることができるため、自ずとパーソナルコーチングも簡単にコツを掴んで効果的に取り組めるようになります。

逆にセルフコーチングを上手にできないのであれば当然パーソナルコーチングも上手にできるわけがありません。料理ができないのに料理教室を開いているようなものですから、本人も困るでしょうし、何より依頼しているクライアントが一番困ってしまいますよね。

正直なところプロのコーチといっても様々で、自覚があるかどうかに関わらずセルフコーチングもまともにできないままプロとして活動されている方もいるため、

「コーチとして活動してはいるものの、正直なところ自分の人生もままならなくて自信が持てない」

「前に興味があってコーチングを受けてみたけど、特に効果も感じられず、ただお金と時間を無駄にしただけだった」

なんて思うことがあれば、まずは基本に立ち返ってセルフコーチングを完璧に習得した方が良いと思うんです。

そこで今回は、この記事ひとつだけあれば「独学でも圧倒的な効果を実感できるセルフコーチングのやり方」を習得できるように徹底解説していこうと思います。

4万文字近くありますが、このコンテンツだけでもよく理解し、忠実に実践することができればセルフコーチングは何不自由なく始められるので、こちらのコンテンツを参考にぜひ取り組んでみてください。

目次

1.自分の中に秘めているあらゆる可能性を最大限に発揮したいあなたへ

どうも、吉田です。

今回は「セルフコーチング完全習得WEBセミナー」と題して、いまコーチングについて全く知識がない方であっても、このコンテンツだけで今すぐ効果的なセルフコーチングを実践できるように徹底解説致します。

早速ですが、あなたは「コーチングをする」と言われてどんなことを期待するでしょうか?

「前向きな気持ちにしてもらえる?」
「試合中に横でひたすら叱咤激励してくれる?」
「不思議な心理技術で望みを叶えてもらえる?」

コーチングの内容はさておき、その言葉だけが一人歩きして自由に解釈されているケースも多いのですが、野球のピッチングコーチのような具体的なアドバイスをするタイプの「コーチ」や、そういった意味での「コーチング」を除いて、先に大前提の話をすると「コーチング」は

「マインドの上手な扱い方を覚えるため」

に、自分自身で、または専門家に依頼して実践するものになります。

簡単にコーチングの歴史や語源から解説すると「人を乗せる馬車」から「コーチ」という言葉が取られ、まず初めに「家庭教師」や「指導員」が「コーチ」と呼ばれるようになりました。

そこから「コーチング」という言葉自体が動詞として独立し、マインドの部分に特化して働きかけることを専門にした存在としての「コーチ」や「コーチング」が一般に浸透していきます。

馬車でお客さんを目的地に運ぶこととなぞらえて「家庭教師」や「指導員」がクライアントの目指している何らかの目標を達成できるように寄り添ってサポートする存在であるのと同じく、マインドの部分に特化したコーチも「クライアントの目標達成をサポートすること」を目的として、「マインド」の部分に特化して働きかけるんです。

このタイプのコーチングについて良いイメージを持たれていない方であれば

「マインドって、心構えみたいなこと?」

「心構えだけ指導されても具体的なこと何もないんじゃ意味なくない?」

なんて思われがちですが、実際のところ適切に実践することができればコーチングは非常に強い力を発揮します。

本題に入る前に、まずは「マインド」を上手に扱うことがどれほど強い影響を与えるのかを解説すると、「マインド」という表現が抽象的すぎて掴みどころがないように感じられるかもしれませんが、人間をコンピューターに見立てて例えると、身体が「ハードウェア」で、精神的な部分は「ソフトウェア」にあたります。

マインドの上手な扱い方を覚えることはOSの中で無意識に作られたバグや不要な工程を取り除いて、不具合を起こさず快適に動作する状態を作るようなものですから、コーチングを日常的に活用することによって、結果的にご自身で設定した目標を極めて達成しやすい状態を作れるんです。

1-1.三日坊主のメカニズム

心理学の父と呼ばれるウィリアム・ジェームズの名言に

「心」が変われば「行動」が変わる。
「行動」が変われば「習慣」が変わる。
「習慣」が変われば「人格」が変わる。
「人格」が変われば「運命」が変わる。

という非常に有名な言葉がありますが、この言葉の通りで、「心」は人の「行動」や「習慣」「人格」に影響を与えている根本的な要因ですから、そこが最適化されているかどうかが仕事を含め、生活全体に激しい影響を与えているんです。

「性根を直す」と言うとどことなく気張った印象がありますが、心理学や認知科学に基づいて合理的に自分の性根を調整するものがコーチングだと解釈していただければ、現時点で全くコーチングについての知識がない方にも「マインドの上手な扱い方を指導するタイプのコーチング」がどういったものか理解して貰いやすいかもしれません。

「心」に特化して働きかけるコーチングを実践することによって、あなたが得られる具体的なメリットはざっと2つあります。

ひとつは自分が今まで意図せずに作ってしまった縛りや限界を意図的に外して、自分自身を解放し、自由に行動できる状態を作れるようになること。

ふたつめは今まで「どうしてもできない・・・」「どうしても続けられない・・・」と考え込んでしまい、取り組む度にすぐ挫折してしまっていたような物事に対して、自然と自分から積極的に取り組むようになり、そのまま習慣や癖として定着させられること。

総じて、自分の目標を達成するために必要な「行動」や「習慣」を維持することが心地よく、楽しんで自然とご自身で設定した夢を叶え続けていく生活を手に入れることができるんです。

前提として、人間に限らず、生き物全般には生理的に「現状維持」を徹底するための働きが備わっていて、むやみに危険な状況に陥ることがないよう、今までと違った考え方や、行動、習慣があれば自然と元の状態に戻そうとする力が働きます。

今のあなたがどんな状況であろうと、

「なるべく健康な状態を維持して、できる限り子供を作っていかないと。」

という、生き物が持つ大前提の生理的な務めを果たそうとしたいがために、無意識が今現在の安定した状態から極力離れることのないよう、今までにない考え方や行動を矯正して元の状態に戻しているのです。

生命維持のために備わっている生理的な機能であることもあり、この働きは非常に強力で、火にかけたフライパンにずっと手を当て続けられないように、そう簡単には逆らうことができません。

そのため、この働きがあることを自覚しないままに自分の行動や習慣を改めようとすると、無意識が今までの心地よい状態に戻そうと動きだして、数日も経たないうちにまるで何事もなかったかのように行動や習慣が元に戻ってしまいます。

これが「三日坊主」のメカニズムです。

この根本的な要因に対する調整作業をしないままに「習慣」や「行動」のような部分的な問題に対処しようとすると、今までにお伝えした通り非常に強いストレスがかかるので、対症療法的な誤魔化しの繰り返しが無限に続くことになります。

例えば、ダイエットからのリバウンドがいつまでも終わらないような方がその典型例です。

通常、ダイエットってうっかり太り過ぎてしまったタイミングで一時的に実践するものであって四六時中やるものではありませんよね。

食生活に限らず、健康的な生活習慣が自分の中で「元の状態」に設定されていれば「供給過多で太りだしてる」という変化に対して、元の心地よい状態に戻ろうとする働きが働くわけですから、そもそも自然に元に戻るだけでダイエットとして扱うものでもありません。

ただその一方で、短期間にダイエットとリバウンドの無限ループを延々と繰り返しては最終的に血管や内臓を痛めつつ、いくつか生活習慣病を発症して、日常的に薬を飲んだり、脂肪吸引をしたり、ちょっとしたことが膨れ上がって最終的に非常に大きな悩みの種になってしまうような方がいます。

これは、何が違うのかと言えば自然に戻るべき「元の状態」が「不健康な食生活、及び生活習慣」に設定されていることによる違いです。

先ほど紹介したウィリアム・ジェームズの言葉を使って説明すると「心」が変わっていない状態で「行動」や「習慣」にだけ変化を加えているので、一時的に無理矢理変化させたとしても時間が経つにつれ「心」に基づいて「行動」や「習慣」が元に戻ってしまいます。

そうなると、ジムに行こうが、エステに行こうが、何を買っても、何を飲んでも、何を食べても、体重のグラフが激しく乱高下するだけで、いつまで経っても出口のない迷路を彷徨い続ける事になるんです。

分かりやすい例なのでダイエットに例えて解説しましたが、これは美容にしても、学業にしても、仕事にしても、恋愛にしても、人によってジャンルは違えど、全てに共通している身近な「心」の問題です。

誰しも、似たような状況に陥ってどうにもできなくなり、最終的に心が折れて諦めてしまう経験があったり、自分の身近な人がそのような状況に陥るところを目にしたことがあるのではないでしょうか?

もちろん、この状態であっても意志の強さがストレスに負けず、力技で習慣や行動から始めて心にまで影響を与えることに成功する方もいますが、荒療治になりますし、なにより効率が悪いんです。

掃除は高いところから始めた方が良いのと一緒ですね。

マインドの上手な扱い方を覚えるタイプのコーチングが非常に強い力を発揮するのは「心」への働きかけに特化することによって「人格」や「行動」「習慣」が自然に変わっていき、ストレスを感じることなく「目標を達成し続ける自分」が「元の自分」だと確信させることができるためで、この部分がコーチングの持つ最大の強みだと思います。

しかも、今回解説するような「セルフコーチング」はプロのコーチにお金を支払って依頼する必要もなく、誇張抜きに知識さえあれば今この瞬間から実践することができますから、適切に実践することさえできれば、これから自分の夢を叶え続けるために一生活用していけるにもかかわらず、何も失うものはなく、得るものは無限大と、費用対効果は圧倒的です。

さらに言うと、今回のセルフコーチング完全習得WEBセミナーで解説する具体的なノウハウは

「まずは今すぐ実践してみる。」

というのをテーマに、非常にシンプルで、少しの準備が終わればすぐに日々実践し続けられる極めて簡単なものを、専門用語を極力使わず、なるべく必要最低限の範囲に留めて解説しています。

もしあなたが

「誰に止められたとしても諦めたくない、どうしても叶えたい夢がある」

または

「自分もどうしても叶えたくなるような夢を見つけて、自分が主人公になれる楽しい人生を歩みたい」

と、心から思っているのであれば、このコンテンツで解説している技術を本気で学んで、熱が冷めやらぬ内に実践してみて下さい。

あなたの夢はきっと叶います。

1-2.コーチングでやることはたった「2つ」しかない

まずは全体像から把握していきましょう。

コーチングでやることは大きくまとめるとたった「2つ」しかありません。

ひとつは

「自分の夢を決めること」

そして、もうひとつは

「自分にその夢を叶える能力があると自覚すること」

です。

専門用語を使わずに解説しているのでここまでシンプルにお伝えすると拍子抜けしてしまう方もいそうですが、大きくまとめると2つになるというだけで、この2つの工程の中には非常に沢山の要素が詰まっています。

ただ、その中でも特に重要なのは「夢」の決め方で、ここが適切に出来ていないと全てが台無しになってしまうどころか、逆にやらない方が良いくらいに悪影響を及ぼしてしまう、非常に重要なポイントです。

ちょっと過言ではありますが、逆に言うと自分の力で「夢」をちゃんと決めることさえできたなら、コーチングはほぼ成功と言っても良いくらいです。

実際、この2つの中での重要度で言うと「夢を決める部分」がしっかりとできていることを前提に、その次の「夢を叶える能力があると自覚する」ための工程に入るので、後述する「夢を決めるために必ず守って欲しい3つのルール」は厳密に守ったうえで、ご自身の「夢」を決めてください。

「夢を叶える能力があると自覚する」ためにある多くの技術は、コーチングを実践するための一つの技術であり、「なぜ、コーチングをするのか?」と言えば、その大前提は「夢」を叶えるため、言い換えれば「今のままでは手に入らない、心から欲しい物や能力、環境を手に入れたい」からこそ行うものです。

それは「コーチ」や「コーチング」の語源が「人を乗せる馬車」を指し、「クライアントを目的の場所へ連れて行く人」という意味合いが「コーチ」という言葉に込められていることからも分かります。

兎にも角にも「心から手にしたいもの」があるからこそ実践するものであり、その大前提に重点を置くからこそ、十分な効果を発揮させるために必要な「夢を決めるためのルール」があるんです。

2.効果的なセルフコーチングを実施するために必ず守ってほしい、自分の「夢」を決める3つのルール

コーチングにおける「夢の決め方」には3つのルールがあります。

一つ目は

「自分が心から望んでいるやりたいことであること」

二つ目に

「ジャンルごとに複数の夢を用意すること」

3つ目が

「現状の外側にある夢を選ぶこと」

この3点が夢を決めるために必ず守って欲しい3つのルールです。

非常に重要なポイントなので、個別に細かく解説していきます。

2-1.自分が心から望んでいるやりたいことであること

まず、一番目の

「自分が心から望んでいるやりたいことであること」

ですが、ここは比較的簡単で

「本当に自分の意思で望んだ夢かどうか?」

を、自分の「夢」を決めるときに改めて吟味して欲しいんです。

というのも大抵、大人になってから決める「夢」には自分自身の経験や実績、世間体やメディアの影響などが色濃く出てしまっているものが多く、度重なる忖度の結果、

「本当に自分自身が心から望んでいる夢なのか?」

という基準で考えると、そうとは言えないものを夢にしてしまう方が非常に多いため、これが必ず守って欲しいルールのひとつになっています。

使い道も決まっていないのに資産や年収に強いこだわりがあったり、あまり知識やこだわりがあるわけでもないのに高級車やハイブランド品、特別なクレジットカードなんかに憧れている方が典型的ですが、心の奥底で本気になれないものを自分の夢にしてしまうと目標を達成するかどうかにかかわらず、本質的に満たされた状態にはならないので、典型的な行くも地獄、戻るも地獄な状況にハマってしまいます。

そのため、常に「本当に欲しいか?」と考え直して、再確認することが重要なんです。

セルフコーチングを実践しながら定期的に自分の中で夢を吟味する癖をつけていると、意外と沢山の変なこだわりが染み付いていて、それが無意識に自分の生活の妨げになっていることが分かりますから、油断せず、ふと思い出したらその都度意識してみましょう。

中でも特に重要なのは「過去を考慮しない」という点で、今から決める「夢」には過去を一切考慮せず、心機一転、フラットな状態で「自分が望む心から手にしたい未来」を想像しつつ、それを自分の「夢」にしてください。

2-2.ジャンルごとに複数の夢を用意すること

二つ目の「ジャンルごとに複数の夢を用意すること」は、ご自身の人生全体のバランスを整えるためのルールです。

基本的には仕事や健康、家庭、友好関係、お金など、人生全体のあらゆる分野で各分野ごとの「夢」を設定し、それぞれの分野の「夢」を調和させつつ、バランスの取れた状態を作ることによって、

「ずっと不眠不休で仕事をしていたら体を壊してしまって結局仕事もドクターストップがかかった・・・」

とか

「仕事ほったらかして遊びすぎた、お金ないどうしよう・・・」

みたいな典型的な状態にならないようにするためのもので、偏りをなくして人生全体のクオリティを上げるために、このルールがあります。

仕事、趣味、お金、健康、家族、恋人、人間関係、社会貢献、地域貢献、平和活動など。

ジャンル分けの目安はいくら多くても構わないのですが、8〜12個もあれば理想的です。

最終的に、自分の10個以上のジャンル分けした夢がまとまって包括されたような、大きくて抽象的な「ひとつの夢」ができるのは良いのですが、初めはジャンルごとにしっかりと分類分けして個別に臨場感豊かで理想的な未来をイメージすることができる状態を作った方が良いです。

そしてもちろん、すべてのジャンルに対して1番目の「自分が心から望んでいるやりたいことであること」という前提をクリアしたものにしてください。

2-3.現状の外側にある夢を選ぶこと

続いて、3つ目が「現状の外側にある夢を選ぶこと」です。

少し分かりにくい表現ですが、私はよく

「叶ったら叫ぶほど嬉しいけど、今のままでは絶対に実現できないこと」

と説明しています。

「絶対に」というのが重要で「100%」「間違いなく実現しない」という意味です。

冒頭からお伝えしている通り、コーチングの大前提は「現状のままでは到底手に入らない心から欲しい物や能力、環境」を手にしたいからこそ行うものです。

そのため、「今の自分」のままであっても実現しうる可能性が少しでもある夢は選んではいけません。

というよりコーチングの実践にあたってふさわしくない夢になるというだけなのですが、もし、前の2つのルールに当てはまっていて、3つ目の「現状の外側にある」という条件にだけ当てはまっていない夢があったとしたら、「現状の内側から外側に移す」ことで対処してください。

大事なことなので何度も言いますが「叶ったらめちゃくちゃ嬉しいけど、絶対に今のままでは叶わないもの」でない限り、選んではいけません。

なぜ、そうしなければいけないのかと言うと、自分自身を現状の自分から解放し、「今の自分」から抜け出せる状態を作るためにこのルールがあります。

最初の方で、ダイエットとリバウンドの悪循環から離れられずに取り返しのつかないところまでいってしまうような例を出して、生き物の持つ生理的な現状維持の働きを解説しましたが、そこが理解できていれば、なぜこのようなルールがあるのかも比較的簡単に理解できるのではないかと思います。

コーチングは「今の自分」から「夢を叶え続けている自分」に能動的に変わっていくために実践するものであり、実践を続けて行くうちに「今の現状」とは全くかけ離れた「将来にあるべき新しい現状」に向かって進んでいくものなので

「今の自分のままだったとしてもこの夢は多少叶う可能性があるんだよな・・・」

と無意識にでも自覚してしまうような夢は「現状維持をした先にある理想的な姿」だと認識し、これから行うどんな試みも現状を肯定し維持するための手段と解釈して、ますます現状の自分を強化するよう紐付けてしまうため、コーチングを実践するにあたって望ましくないんです。

そのため、「夢」は漠然としたもので構いません。

というより、漠然としているものでなくてはいけなくて、コーチングを実施していない「今の自分」がある程度明確にどう叶えていけば良いのか想像できるような「夢」は、現状の外側にあるとは言えないため、「夢」として扱わないようにしてください。

どう叶えたら良いのか全く想像がつかないようなとんでもなく突飛なもので、なおかつ自分が心から強く望める、叶ったことを想像しているだけでワクワクするような、他人に止められたとしてもどうしても叶えたいものを「夢」と定義して、自分の人生全体のバランスを考えながら、ジャンルごとに細分化してイメージしたり、全てをまとめた大きなひとつの夢としてイメージしたりしつつ、臨場感豊かに自分の「夢」を決めていただければ、コーチングにおけるファーストステップはクリアです。

「自分の夢を決める」という工程がコーチングにおいて非常に重要な理由も、ここまでしっかり学んでいただけていればご理解いただけたかと思います。

「夢の決め方」についてはこの辺で留めておいて、次はコーチングにおける2つしかない工程の第2段階、

「自分にその夢を叶える能力があると自覚すること」

について学んでいきましょう。

3.自分にその「夢」を叶える能力があると自覚するためにあなたが日々行うこと

ここまでに解説してきた「夢を決める」という作業は決まるまでが勝負で、決まったあとは逆にほとんどやることがなくなります。

厳密に言えばある程度固まった後も、適宜再確認して修正を加えた方が良いし、しばらくコーチングの実践を続けて、最初に決めた夢が叶いそうな頃には燃え尽き症候群を防ぐため、夢が叶う前に、改めて自分の夢を更に先へ再設定する必要があるのですが、しっかりと自分の夢を決めることができている状態を前提に話を進めると、日々行うことのほとんどは次のステップである

「自分にその夢を叶える能力があると自覚する」

ための作業がほとんどです。

それもそのはずで、

「現状の外にある、どう叶えたら良いのか全く想像できないような突拍子もない夢」

というのは、どれだけ自分の想像の中で気持ちが昂るような凄いものであったとしても頭の中にあるだけでは絵に描いた餅で、そのままにしておいてはまるで意味のないものになってしまうため、それを現実化するための作業や具体的な行動が必要になるのです。

「思考は現実化する」という有名な書籍がありますが、「思考」の下準備が「夢の決め方」で、その思考を「現実化」するフェーズが、これから紹介する「自分にその夢を叶える能力があると自覚する」ための技術だと認識していただけると分かりやすいかもしれません。

これから紹介する技術は夢を叶えるために日々欠かさず実践するものになりますが、とはいえどちらも覚えやすく、内容は非常にシンプルで取り組みやすいものを2つ厳選してご紹介いたします。

手軽に実践できるものなので、内容を把握したら今日からすぐにでも実践に取り掛かっていただければ幸いです。

3-1.ルールに基づいて作った言葉を自分に語りかける

自分にその夢を叶える能力があると自覚するための技術、ひとつ目は

「ルールに基づいて作った言葉を自分に語りかける」

という技術です。

言葉はご自身の「夢」に基づいて、口にすれば十数秒程度で終わるくらいのものをいくつか自作していきます。

細かい実践方法は理論部分の解説を済ませてから改めてしっかりと行いますが、ざっくりとした働きを解説すると、この「ルールに基づいて作った言葉」を自分自身に語りかけることによって「心」を能動的に調整し、自分の精神的なソフトウェアを「今の自分」から「夢を叶えることのできる自分」に書き換えていくような効果を持っています。

実践するタイミングの目安は「起きた時」と「寝る前」の1日2回がおすすめです。

1回あたりにかける時間も1〜2分程度で済むものなので、毎日のお風呂や歯磨きと似たような感覚で習慣付けしておくと非常にやりやすいと思います。

3-2.自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正する

そして二つ目が、

「自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正する」

という技術です。

最初に紹介したものは自分で予め用意した言葉を習慣的に自分自身に語りかけるものでしたが、こちらは日々生活の中で発している自分自身の言葉を観察して、

「自分の夢を叶えるにあたって望ましいものを受け入れて増やし、望ましくないものを意識に上げて排除する」

という作業を、生活している間ずっとやり続けます。

実際はヨガの達人でもない限り初めてすぐに1日のうち眠っていない全ての時間で途切れることなく完璧に観察し続けるのは難しいと思いますが、理想的にはほとんど途切れることなく自然に観察と修正を繰り返せるようになったまま、普通に生活できるようになるのがベストな状態です。

自分が日々発している言葉には意識的に発しているものと無意識に発しているものの2種類があり、実はその全てを含めると、人は1日あたりざっと4万回をゆうに超えるくらいの言葉を発しています。

何も考えずぼーっとしている時も、慌ただしく仕事や家事をしている時も、人は常に頭の中で何かを考えていて、その考えは基本的に頭の中で意識しているかどうかにかかわらず言葉として出力されているので工場のライン作業のように「良いもの」だけを通して、「悪いもの」を見つけたら取り除いて処分するような取り組みを続けていると「心のバグ」が無くなって自然と気が散る事なく、自分の夢を叶えることに集中できるようになるんです。

こちらも、詳しい実践方法は理論解説を済ませた後にしっかりと行いますが、総じて言うと「自分にその夢を叶える能力があると自覚する」ために日々行うことも非常にシンプルで

「起きたタイミングと寝るタイミングでルールに基づいて作った言葉を自分に語りかけて、普段の生活では自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正する癖をつける」

たったこれだけで、セルフコーチングは完成します。

自分の夢をしっかりと決めることができたなら、上記した2つのことをするだけで良いんです。

あまりにも簡単なことなので拍子抜けしてしまうかもしれませんが、もちろん

「これだけのことでなぜ自分の夢が叶うのか?」

という部分には様々な「心の働き」に対する理論的な背景があり、それを完璧に理解することによって初めて非常にシンプルな働きかけだけで自分で自分自身を自在に変えることができるようになります。

全体像を理解してもらうための解説はここで終わりにして、次は本格的な「理論解説」に入りましょう。

4.なぜ毎日、自分自身に語りかけたり、自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けるだけで夢が叶いやすくなるのか?

4-1.「言霊」の現代的解釈

ここからは本腰を入れて、もう少し深く理論解説をしていきます。

今回、コーチングに興味のある方がこのコンテンツを読んだあとそのまま今すぐセルフコーチングの実践に取り掛かれるよう

「自分にその「夢」を叶える能力があると自覚するためにあなたが日々行うこと」

として紹介した2つの技術は、何よりやり方が理解しやすく簡単なものを選んでいるのですが、簡単であること以外の共通点として「言葉を活用した働きかけ」という共通点を持っています。

コーチングには

「言葉を使う技術」
「言葉を使わない技術」
「自分自身で実践する技術」
「第三者に働きかけてもらう技術」

などなど、深掘りすれば様々な技術がありますが、それぞれに一長一短の特徴があり、言葉を使う技術には言葉によって視点をある程度固定してしまうことが多少のデメリットになり得る代わりに、伝えやすく、多くの宗教や文化に深く根付いている価値観と合致しやすい等のメリットがあります。

そのため、実践にあたって初心者の方でも馴染みやすくすんなり取り組める特徴があると思い、私は特にコーチングを理解してご自身で実践してもらうためのファーストステップとして、好んで活用したり、アドバイスをするようにしています。

日本の場合は古代から「言霊の幸ふ国」と表現されるように、

「言葉には不思議な力が宿っていて、発した言葉がその通りに現実化する」

という感覚が、古事記や神事についての知識があるかどうかにかかわらず自然に染み付いている方が多いので、特に自然と馴染みやすいのではないかと実践していて感じます。

ただ、実際に人智を超える霊的な何かが働いて口にした内容を現実世界に顕現させているのかと言えば、そうかもしれないけれど、それだけにこだわってしまったら理解のしようもなく扱いようがないですから、これから理論編として紐解いていく

「なぜ毎日、自分自身に語りかけたり、自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けるだけで夢が叶いやすくなるのか?」

という部分については「言霊の現代的な解釈」を踏まえながら「言葉を活用したコーチング」がどういった工程で人の「心」に働きかけているのかを解説しているものになっています。

受験生の前で「滑る」や「落ちる」という言葉を使わない、見せない、という配慮が徹底されたり、結婚式で「切る」「終わる」「離れる」のような言葉を使わないように配慮される「忌み言葉」という慣習があることからも馴染み深いと思いますが、「酸っぱい葡萄」と言われたら味覚が果汁の酸味を思い出し、視覚が紫色の楕円形の果実を思い出し、嗅覚が葡萄のフルーティな匂いを思い出すように、言葉にはその言葉に応じたものを「想像させる力」があります。

「夢の決め方」から「思考は現実化する」ことへのカラクリにも触れた通り、生々しく臨場感豊かにイメージできるものであればあるほど、現実と同等の実感が湧いてしまい、意識するかどうかにかかわらず、自然とそこに惹き付けられてしまうのです。

CMで見た車が欲しくなったり、テレビでタレントさんが美味しそうに食レポしているものがどうしても食べたくなってしまうのも同じ仕組みです。

受験勉強中に「滑る」や「落ちる」という言葉に過敏に反応していた思い出がある方であればあるほど、心当たりがあるのではないでしょうか?

これは忌み言葉に限らず全てにおいてそうで、親切心からであっても

「前にこれやって失敗したんだから、今回は絶対に失敗するなよ」

なんて声をかけてしまうと、前回の失敗した記憶をそのまま掘り返して突きつけることになり、失敗した時の感覚を再現したまま挑ませる事で吸い寄せるように失敗へ導いてしまうことがあります。

ただ、これはネガティブなことにかかわらず全てにおいてそうですから、逆に

「大丈夫、君なら普通にできるよ」

と伝え続けているだけで、前例から見て無謀に感じる事であっても、人が変わったようにすんなりと出来てしまうことがあるんです。

この、

「言葉にすることよって自然とその言葉から想起されるものを臨場感豊かに想像してしまい、現実と同等の実感が湧いていることを無意識にそのまま現実に引き起こしてしまう心の働き」

を、心理学や認知科学のような科学的解釈が全くなかった時代に「言霊」と呼んでいた。

なんて考えると、「言霊」が不思議なものではなく、ただの自然な心の働きとして解釈できるようになるのではないでしょうか?

言葉によってどう心に働きかけているのか、加えて自分が今までに言葉によってどう働きかけられていたのかが体系的に理解できれば、それを利用して自分の心を自分に都合よく変えることも容易にできるようになります。

そして逆に言えば、生まれてから今に至るまで言葉による影響は受け続けているものの、「どう影響を受けているのか」を理解できないままそれに振り回されているから、自分自身を思うように制御することが出来ない部分が多々見受けられるのではないかと考えると、自分の中にある

「本音で言えば直したいとは思っているけど、今までどうやっても直せなかったから生まれつきそういうものだと思って受け入れるしかないと自分の中で決着をつけて諦めてしまっている悪癖」

に対する解決法も、自然と自分自身で見出して、自力で解決するに至るまで進められるのではないでしょうか?

冒頭で紹介しながら解説した

「心」が変われば「行動」が変わる。
「行動」が変われば「習慣」が変わる。
「習慣」が変われば「人格」が変わる。
「人格」が変われば「運命」が変わる。

という、ウィリアム・ジェームズの言葉の通り、「心」に受ける影響は全てにつながっていて、そこには「言葉の力」も大きく関係しています。

これは今に始まった事ではなく、あなたが生まれた時から今に至るまでずっとそうなんです。

4-2.自分の「心」は過去に受け入れてきた「言葉」の積み重ねで作られている

突然ですが

「北枕や箸渡しで嫌な気持ちになるのはなぜでしょう?」

と聞かれたら、あなたはどう答えるでしょうか。

私は強いて言うなら

「縁起が悪いから」

と答えると思いますが・・・

こう質問されると、おそらく誰であってもそれくらいしか答えようがないと思います。

では、

「なぜ縁起が悪いことをやったり、目にしたりすると嫌な気持ちになるのか?」

と聞かれたらどうでしょうか?

これもまた

「子供の頃からそう教えられて育ったから」

としか言えないと思います。

実際、北枕や箸渡しをなぜやってはいけないかと言えば、第一に葬儀を連想させる行為であって、そういった場面以外でそれを見たり、やったりしてしまうと必要のない場面で自分の記憶から不用意に悲しい記憶を思い起こしてしまうため、結果的に「縁起が悪いこと」として避けられているものですから、具体的に何か悪いことが起こるのかと言えば、特に実害は何もないですよね。

日本で生まれ育っていない方や日本仏教に関わりがない方からすれば、やろうが目にしようが何とも思わないでしょうし、北枕に関してはむしろ積極的にやったほうが体に良いという説があるくらいです。

逆の例を挙げれば、日本で真っ直ぐ挙手をしたり、中指を立てたりしても、そこまで大ごとにはなりませんが、特定の文化圏でやれば悪ふざけでは済まないくらいの大問題に繋がります。

ここまでに出した例すべてにおいて、なぜ駄目なのかと言われれば

「嫌な記憶と結びついていて、それを思い出してしまうから」

という理由になりますが、全て実際にはやったとしても行為そのものに具体的な実害はなく、嫌な気持ちになったり、侮辱されたと感じて激怒する理由は誰しもひとえに

「そう教わったから」

で済んでしまうと思います。

ネット上での誹謗中傷なんかもそうですが、全て冷静になって考えれば痛くも痒くもないことですからね。

ただ、痛くも痒くもないと言っておきながらなんですが、SNSなどで夥しい数の心無い言葉に悩まされて心が壊れてしまうような方が増えているように、実は不思議と「そう教わった」だけの事が自分の心に非常に強い影響を与えていて、これも「心」の重要な部分に「言葉の力」が関係していることの説明になっています。

実は、「自分の心」は「自分が今までに受け入れてきた様々な言葉を体系化して作られたもの」なんです。

専門用語を抜きにして冒頭の内容から繋げて解説しているので「心」として解説していますが、厳密に言うと「自我」がそれに当たります。

今までに受け入れた言葉から作られた行動規範は、脳科学的に言えばその人の前頭前野や大脳辺縁系に作られた認識のパターンの事で、その認識のパターンが積み重なって体系化されたものが、今回のコーチングで活用している「マインドの働き」について解説するために指し示している「心」になります。

簡単なもので言うと

「コーヒーと紅茶どちらが良いですか?」

と聞かれた時にあなたがどちらを選ぶのかも、この働きによって決められているんです。

「緑茶で」

と言って困らせても良いですが、私はこの2択で聞かれた場合は反射的に必ず「コーヒー」と答えます。

面倒なのでミルクや砂糖も入れず、ブラックでそのまま飲みます。

こちらも、なぜそうなるのかと聞かれたら、子供のころ「紅茶」という選択肢を想像もしていない環境で育っているからです。

これ以外にも

「朝食はご飯とパンのどちらがいいか?」

と聞かれれば「ご飯」と答えるし、

「きのことたけのこで言ったらどっち?」

と聞かれれば「きのこ」と答えます。

事の大小にかかわらず、どのようなものであれ無意識に自分の行動を規定する基準が作られており、その基準の出所がどこかと言えば「過去に受け入れてきた様々な言葉たち」なのです。

飲み物の好みくらいなら大したことはないのですが

「お前はなにやっても駄目なんだから言われた通りにしてろ、余計なことすんなよ」

とか

「仕事なんか嫌で当たり前なんだから、やりたいこととか関係なく安定した仕事に就いたほうがいいの、いいから公務員になりなさい」

なんて言い聞かせられながら育って、それが認識のパターンの一つとして定着してしまえば「心」にどのような影響が与えられるでしょうか?

人によってはかなり辛い事実になり得るかもしれませんね。

ただ、そうは言ってもそこまで悲観的に捉える必要もない事が、「北枕」や「箸渡し」、「飲み物やお菓子の好み」の例で伝わってくれると嬉しいのですが、お気づきでしょうか。

大前提として、自分の中に自覚のないまま不都合な言葉を受け入れたことによって出来ている認識のパターンがあったとしても、今の自分の認識のパターンになっているというだけであって、その認識のパターンに具体的な実害は何もない、というのが重要なポイントです。

飲食店で箸渡ししている人を見て

「うわっ・・・」

と思った時に、

「いや、別にどうでもいいか、海外の人かな?」

とでも思えばその認識のパターンに振り回されないのと一緒で、自分の中で

「不都合な言葉を受け入れているな」

と自覚できたのであれば、受け入れた言葉を一段階俯瞰して捉えることによって無効化したり、適宜修正を図ったり、または自分自身で用意した新しい言葉を自分に語りかけて受け入れ直してしまえば「不都合な認識のパターン」によって起こる心の問題は全て解決してしまうのです。

些細な事でも「紅茶とコーヒー」なら

「あ、飲み物なんでもいいですよ、お構いなく」

と言えば良いし、お茶菓子のことなら

「きのことたけのこどっちも買っておいたら?どうせ食うでしょ?」

で済みます。

些細なケースで考えると誰でもわかる簡単な事ですよね。

込み入った心の問題になると不思議と大ごとになってしまい、自分自身で解決することを諦めがちですが、ここまでの内容を踏まえれば「言葉の力」を活用して、自分で試行錯誤しながら様々な限界を乗り越えることも視野に入るのではないでしょうか。

4-3.言葉を活用して臨場感豊かに「夢を叶えている自分の世界線」を想像すると「心」が更新されていく

ここで一旦おさらいです。

ここまで「言霊の現代的解釈」や「自分の行動を規定する認識のパターンの作られ方」を解説しながら「言葉の力」がどう自分の心に働いているのかを細かく解説してきました。

「自分の心は自分が今までに受け入れてきた様々な言葉を体系化して作られたものであり、それが普段の自分自身のあらゆる行動を規定する認識のパターンになっている」

という日々の生活における行動規範の元になっている部分と

「言葉にすることよって自然とその言葉から想起されるものを臨場感豊かに想像してしまい、現実と同等の実感が湧いていることを無意識にそのまま現実に引き起こしてしまう」

という、言葉によって現実と誤認した思考を本当に現実化してしまう部分について理解していただければ

「なぜ毎日、自分自身に語りかけたり、自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けるだけで夢が叶いやすくなるのか?」

という質問の答えになっていることについても納得していただけると思います。

冒頭でお伝えした通り、コーチングは「今の自分」から「夢を叶え続けている自分」に能動的に変わっていくために実践するものであり、実践を続けて行くうちに「今の現状」とは全くかけ離れた「将来にあるべき新しい現状」に向かって進んでいくものです。

そのためにまずは、どう叶えたら良いのか全く想像がつかないようなとんでもなく突飛なもので、なおかつ自分が心から強く望める、叶ったことを想像しているだけでワクワクするような、他人に止められたとしてもどうしても叶えたいものを「夢」と定義して、自分の人生全体のバランスを考えながら、ジャンルごとに細分化してイメージしたり、全てをまとめた大きなひとつの夢としてイメージしたりしつつ、臨場感豊かに自分の「夢」を決めます。

それによって、今の自分を最適化することでは絶対に実現し得ない夢を叶えている、全く新しい世界線の自分を心の中に作り上げることによって「生理的な現状維持の働き」を克服し、夢を叶えることができる心の状態を維持しながら、それに基づいた認識のパターンが自然に夢を叶えて然るべき態度や習慣のような生活全般における行動規範を定着させるに至ります。

これが、上手なマインドの扱い方を覚えるということであり、マインドの扱い方に特化したコーチングの強みです。

本来、人の価値観は生理的な現状維持の働きに基づいてそうそう気安く変えることはできません。

大人になってから自分の価値観とは全く真逆のことに挑戦したり、自分の癖を直そうとした事があればあるほど身に染みて感じた事があると思いますが、これは歳を重ねれば重ねるほど強固になっていき、強烈な忌避感に逆らえなくなるので、しばらくするともう変えようと思えば変えられることすら忘れてしまうんです。

どれだけ世の中のシステムが変わろうと頑なに自分の想像の範疇にあるやり方だけで無理やり対応させようとしてくるお年寄りとかを見れば、この働きが歳を重ねるごとに年々強くなっていくことがわかりますよね。

基本的に生命維持のために生き物全般に備わっている働きなので、生命が脅かされるような極めて危険な状況にでも陥らない限りは日々の立ち振る舞いを無意識に変えようとはしないのです。

ただ、ここまでの内容を理解していただけたのであれば、少なくとも自分自身に関しては、年齢も関係なく、ご自身の望み通りいつでも自由に変わりたいように変われるし、どう変わることができるのかも想像できているかと思います。

長くなりましたが最後にここまでを踏まえて、「実践中に起こること」の細かな流れを追加で解説しつつ、理論編を終えようと思います。

4-4.心の更新と習慣や人格へのタイムラグについて

今までは

「心」が変われば「行動」が変わる。
「行動」が変われば「習慣」が変わる。
「習慣」が変われば「人格」が変わる。
「人格」が変われば「運命」が変わる。

という言葉になぞらえて「いかに心に働きかける事が重要か」など、「心」について重点を置いた解説を続けていましたが、ここからの内容はそこを踏まえて

「心を変えることによって行動や習慣、人格がどのようにして変化していくのか」

を解説していきます。

そのため、観察するものではあっても意識して積極的に働きかけるような部分ではないのですが、ここがなぜ重要になってくるのかと言えば、心の変え方がわかったとしても流石に一朝一夕で自分の決めた夢を叶えてしまえるものではないからです。

毎日、自分自身に語りかけたり、自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けるだけで心への適切な働きかけが進み、それによって夢が叶いやすくなるとはいえ、そもそも最初に教えた「ルールに則って夢を決める」という作業を終えなければ始めることすらできません。

夢を決める以降のことも、基本的には諸々の用意を終えてから初めて取り掛かれる部分ですし、取り掛かったとしても流石に2〜3日で夢が叶うようなものでもなく、少なくとも3ヶ月、または半年、一年と休む事なく実践を繰り返していく事で定着させながら夢を叶えていくものですから、取り組み始めて実際に本格的に変化していく過程を正確にイメージ出来ていないと自己判断での実践がままならないのです。

プロのコーチにパーソナルコーチングを依頼しながら実践しているのであれば、実践に当たって疑問に感じたことや不安に思っている部分を相談しながら進めることもできますが、自分が自分のコーチであるセルフコーチングの場合はそれもできず、常に自分で知識をつけて、自問自答しながら自己判断で実践を続けていく訳ですから、流れがわからず

「これでいいのかな・・・」
「なんか違う気がするな・・・」
「こういうことじゃないのかな・・・」

なんて、不安に思ってしまうたびに振り出しに戻ってやり直すような状態が延々と続いてしまうと思います。

というか私の実体験として、心置きなく実践できるくらいに十分な知識がない頃は数年単位で勉強し直したりし続けていたので、誰も相談する人がおらずひとりでセルフコーチングをするにあたっては、その覚悟も持ったうえで実践することをおすすめします。

どちらにしろ、まずは「心」に集中して働きかけることには変わりないのですが、「行動や習慣」「人格」に反映されるまでにも、まずは人格のせめぎ合いが起こり、それによって望ましい行動や習慣が変わっていくことで夢が自然に叶っていく、という流れがあるので、そこを細かく紐解いていきましょう。

4-5.更新された「心」から、自分の内面で「今の自分」と「夢を叶えている自分」のせめぎ合いを引き起こすと「人格」が自然に変わっていく

ではまず、ここからは心に働きかけることによって影響を受ける「人格」に対する解説をしていきます。

ちょっとメタい話をすると「専門用語なし」という縛りによって説明を重ねるたびに首が締まっている感覚が内心ありますが、この講座では「心」をソフトウェアでいうOSのような精神的な部分全体を扱う大元の働きとして解説し、「人格」をOSの中で設定できるモードやテーマのようなものとして解説していきます。

コーチングにおいて特に重要な点で言えば、人は潜在的に複数の人格を持つ事ができるという部分で、潜在的に複数の人格を持つ事はできても、一般的なCDプレーヤーがアルバムを再生しても1曲ごとにしか再生できないのと同じように

「表に出て来れるのはひとつだけ」

という特徴が特に重要です。

身近な例で言えばバイリンガルの方がわかりやすいでしょう。

子供の頃に両親の都合で日本と海外を行ったり来たりしていたようなバイリンガルの知人がいれば身に覚えがあると思いますが、バイリンガルの方は普段の日本語で会話している時の人格と、例えば英語で会話している時とでは、人格がその言語文化に合わせてガラッと切り替わります。

これは心の中で

「日本語文化で日本語を話している自分」

「英語文化で英語を話している自分」

という2つの人格をカセットテープやゲームソフトを交換するように目的に応じて切り替えていることによって、同じ人が普段の自然な態度でコミュニケーションをとっているにもかかわらず、印象がガラッと変わったように感じているのです。

パソコンのOSになぞらえて言えば「言語設定」を切り替えているようなものと言ってもわかりやすいかもしれません。

これは短時間に細かく切り替える事ができたとしても、言語設定で日本語と英語を同時に出す事ができないように、片方の人格が表に出てくる時は、もう片方の人格が裏に隠れてしまうのです。

この特徴がなぜコーチングにおいて特に重要になるのかと言えば、ルールに則った夢を決めて、言葉の力を用いて適切に「心」に対して働きかけをしていくと「今の人格」とは別に、夢を叶えられる「理想の人格」が潜在的な部分に作られていくためです。

先ほどお伝えしたように、「人格」は潜在的に複数持つ事ができたとしても、表に出す事ができるのはひとつだけですから、もし自分の夢を叶えたいのであれば「今の人格」を控えに戻して「理想の人格」を表に出さなければいけません。

と言っても、その表に出す人格の移し替え作業が今までに解説してきた「心」に働きかける作業ですから、今までの内容とは別に何か新しいものを覚えなければいけないわけではありませんが、重要なポイントとして、日々働きかけているうちに「今の人格」と「理想の人格」が椅子取りゲームのようなせめぎ合いを起こすことをあらかじめ知っておきましょう。

2つの人格がせめぎ合う時、自分がどちらの人格を表に出すのかと言えば「より強いリアリティを持っている人格」を自動的に選択します。

これは、自分自身が意識するかどうかにかかわらず、脳の情報処理としてその選択が行われるのです。

例としてお話ししたバイリンガルのケースで考えればわかりやすいと思いますが、わざわざ意識しなくても日本にいる時は日本文化にリアリティを感じて日本語の人格がでて当然だし、仮にアメリカへ旅行しているのならアメリカの文化にリアリティを感じて英語の人格が出て当然ですから、そう考えるとわかりやすいですよね。

ここから逆算して考えると「理想の人格」を表に出して定着させるためには、まだ目の前にないあなたの夢をリアルに感じなければいけないという事が分かります。

あらかじめルールに沿って決めた夢をリアルに感じることによって、夢を叶えている「理想の人格」を脳に選択させなければいけないのですが、もしかして

「そんなの無理じゃない?」
「だってまだ叶えてもいないのに現実の今の自分よりリアリティを感じなきゃいけないんでしょ?」

なんてことを考えながら読み進めていないでしょうか。

実は当然、ここをご覧になっている段階でこの問題に対する答えに繋がる働きをすでに解説しています。

「あぁ、あれのことか」

とならないようであれば、今すぐでなくとも、答えがわかるまでは何度でも読み返した方がいいと思います。

答えは書かないのでご自身でゆっくりお考えください。

4-6.人格が変わるとその人格に合わせて違和感を解消するために自身の行動や態度を変更したくなる

続いて、「心」に働きかけることによって「人格」が変わり、そこから繋がって影響を与えることのできる「行動」や「態度」「習慣」について解説していきます。

突然ですが、あなたはイソップ寓話の「酸っぱい葡萄」という話をご存知でしょうか?

短くシンプルな話なんですが、

ある時、お腹を空かせた狐が美味しそうな葡萄を見つけます。

その狐は食べようとして懸命に飛び上がりますが、葡萄はどれも高いところにあって届きません。

なんとか食べようとしますが何度足掻いても届かず、最終的には諦めて

「どうせあの葡萄は酸っぱいに決まっている、誰があんな不味そうなもの食べるか」

と、負け惜しみの言葉を吐いて去っていく。

というお話しです。

この物語はよく、自分の心の中で矛盾するものを抱えた状態に陥っている人が、どのようにその矛盾を解消するのか、その流れを解説するのに用いられます。

欲しいものがあるにもかかわらず到底手に入れる事ができないと分かると突然手のひらを返して、

「そんなもの手に入ったってしょうがないじゃん」
「俺は興味ないからそういうのいいよ」

なんて無意識に思い込み始め、諦めることになった原因と向き合うことをやめて、心の平穏を維持しようとするのが定番の流れです。

SNSやテレビ、雑誌のようなメディアの都合で積極的に作られているのでしょうがないものではあるんですが、現実世界だと、仕事やお金、恋愛なんかでよくこの現象を起こしている方を頻繁に目にしているのではないかと思います。

この働きの重要な点は、矛盾した2つの要素が存在する場合、一方の要素を変化させることによって弱めたり、消したりする働きを持つというのがコーチングにおいて重要なポイントになります。

自分の能力などに劣等感を感じていて、出世することや、自分の働いている場所のリーダーになることが自分には相応しくないと感じていると自然にチャンスを避けたり、人に譲ったり、徹底的に目立たないように立ち振る舞ってしまうケースがわかりやすいと思いますが、自分の中に矛盾する要素があればそれがなんであれ、なんとかして矛盾を解消するように無意識が働いてしまうのです。

この働きは矛盾の大きさが大きければ大きいほど強烈に働きます。

宝くじに当たったのは良いものの、かえってそのせいで人生がめちゃくちゃになってしまう人がその典型的な例です。

仮に宝くじで10億円を当てたとしても、そもそもその人の年収が100億円あるとしたらちょっとした臨時収入程度で済んでしまいますが、年収300万円の人が突然10億円を手にしてしまうと、自分の中で

「10億円持っている自分」

「年収300万円の自分」

で激しい矛盾が発生してしまい、突然めちゃくちゃに散財し始めて、数年経つ頃には貯金がほとんど無くなり今まで通りの生活水準に落ち着きつつも、それまでにした散財分のしっぺ返しを喰らって余計に酷いことになってしまうケースがあります。

宝くじのような莫大な臨時収入があると、どこからともなく話を聞きつけて事あるごとに投資関係の話を持ちかけられたりするのも、この働きを逆手にとって、そういった境遇にいる方には特に売りやすい事を業者側がよく理解しているためです。

そのほか、妥当な選択肢だと思いますが、自衛に近い形で普段とは別の銀行口座に貯金しておいて、そのまま何もなかったことにして生活を続ける方もいますよね。

こちらのケースで考えても、矛盾した状態を無意識がそのまますぐに消してしまうことによって対処している事が分かります。

これ、実は今までに解説していた内容に対して別の角度で改めて解説し直しているものでもあるのですが、何と繋がっているのかお気づきでしょうか。

この働きはダイエットするたびにリバウンドしてしまい、体重を乱高下させる悪循環から抜け出せなくなっている例を出して、生理的に持っている現状維持の働きがどれだけ強いか解説した時の内容と繋がっています。

「三日坊主のメカニズム」を解説した際に、人には生理的な現状維持の働きが備わっていて、その力によって一時的に変化を加えたとしても「元の状態」に無意識が戻してしまう、と説明しましたが、ここまでに例え話として出した「宝くじに当たった人」も「自分に劣等感を感じて出世を避けている人」も、同じ働きが「無意識に自分を元の状態に戻している」事が分かると思います。

目の前で風船を割られて「まばたきをするな」と言われても勝手に目を閉じてしまうように、意識的に行う力と、無意識が勝手に働いている力とでは、無意識の力が自然と優位に働きます。

矛盾を解消する際も、今までの例で言えば「年収300万円の自分」を「元の状態」にせずに「10億円持っている自分」を「元の状態」に出来ていれば、右も左も分からずに数年間適当に散財し続けて元の木阿弥に戻ってしまったり、せっかく高額当選をきっかけに何かを始める大きなチャンスを獲得したにもかかわらず、普段使わない別口座に貯金してチャンスそのものを無かったことにしてしまう事も無かったはずです。

ただ、この例えだとセルフコーチングを実践しながら自分で夢を決めて行動しているわけではなく、どちらにしても個人の自由ですから「有効活用しろ」と強要するのもおかしいのですが、無意識が自然と現状維持のために働くことで、意図せずに自分自身に対して不都合な動きをする事があるという解説として捉えていただけますと幸いです。

そして、これに対する対処法もすでに説明した通りなんですが、覚えているでしょうか。

「元の状態」が「今の性格」ではなく「理想の性格」になっていれば良いんです。

「10億円持っている自分」が「元の状態」であれば、そこを基準に無意識が

「どうお金を使うか」
「どんな仕事をするか」
「どんな事業を作るか」
「どんな人と仕事をするか」
「どの業界に貢献したいか」
「どういった形で投資するか」
「家族にどんな生活をして欲しいか」
「投資ではなく寄付にすべきではないか」
「自分はどんな使命を背負って行動するべきか」

などなど、事の大小にかかわらず自分の生活におけるあらゆる分野で身の回りの矛盾を無意識に解消しながら自分らしい行動や態度を表に出して、それが自然と習慣化されていきます。

ダイエットとリバウンドを繰り返してしまうケースも「理想的な美しい自分」が「元の状態」であれば、その美しさを維持して然るべき行動や態度が、リバウンドする可能性のある矛盾した今までの習慣を無意識に解消して定着させてしまうんです。

これができると、最初のダイエットの例では自分に対して都合の悪い動きをしていた「生理的な現状維持の働き」が逆向きに働いて、無意識に自分の夢を叶える事ができる理想的な自分の行動や態度を習慣や癖として定着させるために、現状維持の働きが積極的に自分を変える方向で機能するようになります。

こちらも前提としてお話しした通り、直接働きかけてどうこうするものではなく「言葉の力」で「心」に働きかけることによって夢を叶えている自分にリアリティを感じると「人格」が影響を受けて差し替わり、結果的に「行動」が今までと変わっていき、最終的に「習慣」として定着するものになります。

4-7.「言葉の力」で自分の「心」から「人格」に影響を与えていくと、現状の自分の「考え方」や「習慣」が持つ矛盾点に自然と居心地の悪さを感じるようになり、「行動」や「態度」を夢が叶う方向へ無意識に変更し、矛盾を解消したくなる

全てを細かく解説していこうと思ったらまだまだ長くなってしまうので、今回の理論編はここで終わりにします。

今回の内容は「言葉を使うセルフコーチング」をこのコンテンツのみ独学していたらそのまますぐ実践できるように取捨選択しながら必要最低限の範囲で解説したものなので、ここから先の色々な知識や技術については個別で対応したり、別のテーマでコンテンツを作る時など、また別の機会にお伝えできれば幸いです。

冒頭でコーチングを「マインドの上手な扱い方を覚えるもの」だと解説して、ここまででそれが具体的にどういったことか解説してきましたが、ひとまとめに「マインド」といってもその中に結構膨大な要素が詰まっている事が理論編の長さからもわかると思います。

改めて、特に重要なコーチングならではの力が何かといえば、やっぱり何より強いのは「理想的な現状」に目もくれず、妥当な成長を平気で踏み越えて、そのはるか先にあるものに自然と辿り着けるようにしてしまう力です。

無意識が勝手に働いてクリエイティブに現状の外側へ進んでいくので、自分自身でも振り返ってみれば不思議に思えるような経験を多くしてきましたし、このコンテンツをきっかけに実践に取り組まれる方が同じように不思議に思える経験を沢山し続けるようなワクワクする人生を歩んでいただければ、私にとってもそれが何より嬉しいです。

基本的には前向きに実践するもので、意識しなくとも前向きな気持ちで楽しくやれるようになっているものではありますが、冒頭で例にしたようなコンプレックスを完全に自力で克服したり、どうにも出来ないと諦めてしまっていた悪癖を乗り越えるために使っても十分活用できるものですから、そういったネガティヴな問題への根本的な解決策にもなっている事も頭に入れて、まずはそこからやってみるというのでも良いと思います。

加えて、生理的な現状維持の働きを有効活用して自分の思い通りに扱う事ができれば、心臓の鼓動や呼吸と一緒で「息をするように」という言葉の通り、無意識が勝手に矛盾点を見つけては自動的に行動し続ける訳ですから、適切に活用する事ができると無尽蔵のモチベーションを獲得してパフォーマンスのムラを無くし、常に安定したハイパフォーマンス状態を獲得する事にも繋がるため、気持ちの浮き沈みで生活や仕事に難がある方にもおすすめです。

ここまで解説してきた通り、セルフコーチングを習得してマインドを自在に扱えるようになるメリットは沢山あります。

しかも、具体的にやることは

「夢を決めること」

「毎日、自分で作った言葉を自分自身に語りかけること」

「自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けること」

たったこれだけで、です。

当たり前にやっているのでつい忘れてしまいますが、結構すごいことですよね。

5.毎日、自分で作った言葉を自分自身に語りかけるために使用する言葉の作り方と具体的な実践方法について

それでは、ここからは実践編に入りましょう。

日々、取り組むものとしては

「毎日、自分で作った言葉を自分自身に語りかける」

「自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続ける」

この2つがありますが、まずは

「毎日、自分で作った言葉を自分自身に語りかける」

ことについての具体的な実践法を解説していきます。

5-1.自分に語りかける言葉を作るときに絶対守って欲しい4つの決まりごと

まずは、自分自身に語りかける言葉の作り方を解説します。

ここで作る言葉はもちろん、自分自身でルールに基づいて決めた夢をもとにして作るものなので、夢が暫定的にでも決まっていない方は、まず自分の夢を決めるところから始めてください。

自分自身に語りかけるための言葉はなんでも良いというわけではなく、狙った効果を発揮させるためにいくつかの決まり事があります。

自分自身の夢に紐づけられておらず、この決まり事が守られていないものに関しては効果があるかどうかと言われると、私からは何ともいえません。

例えば「私にはお金とのご縁があります」と四六時中呟いて生活していたとしても、お金に執着することはあれど、少なくとも冒頭から解説しているような自然に自分の夢を叶えてしまえるような働きは生まれないはずです。

ここまで長々と解説してきた通り、特に独学で実践する場合は細かい理論的な背景を理解せずに実践したとしてもちゃんとした効果は見込めないものなので、自分自身に語りかける言葉を作る際も、しっかりと適宜確認した上で、自分だけの言葉を作り上げていきましょう。

ひとつめの決まりごとは

「個人的な内容で、他人と比較せず、肯定的な言葉にすること」

です。

「私は〜」や「僕は〜」などの一人称で、チームや会社のような組織のことを思って作ったとしても、ここで作る言葉の内容に関してはあくまで自分自身の変化や成長のみを思い描いた個人的なものにします。

そのため、憧れの人やライバルのような「他人」を引き合いにも出さずに、自分のなりたいもの、欲しいものについて表現するようにしてください。

「ああはなりたくない」や「こんなもの自分に必要ない」のような否定的な表現もNGです。

自分自身にだけ集中して、ポジティブに軽々と夢を叶えている自分を想像しつつ、それを言葉にしてください。

そして、ふたつめの決まり事は

「現在進行形で達成している表現を使い、感情や行動に強い臨場感を感じるリアルなものにすること」

です。

先ほどの内容に加えて、その状態を

「〇〇だ」
「〇〇している」
「〇〇を所有している」

のように、現在進行形で記述します。

逆に言うと

「〇〇がしたい」
「〇〇ができる」

のような、まだ達成していない状況を表すような表現は使わないようにしてください。

そして、そこから「行動」や「感情」を表す言葉を加えて、その状況を臨場感豊かにイメージできる形に整えていきます。

「行動」に関しては、一切緊張せず、慣れ切って落ち着いた態度で、当たり前のように自分の設定した夢を成し遂げている自分自身の姿をイメージして、その自分自身の行動や様子をリアルに感じられるよう言葉にします。

イメージが作れたら、そこからさらに「感情」を加えていきます。

「嬉しい」や「楽しい」「誇らしい」のような、夢を叶えているあなたが実際にどのように感動しているのか、自分らしく一番適切な表現で喜べるように、言葉にしてみてください。

三つ目の決まりごとは

「人生全体のバランスを考慮しながら、矛盾や曖昧な部分がないか常に検討し、適宜修正して言葉の質を高めること」

です。

ここからは実践し始めてからの決まり事になります。

バランスに関しては「夢の決め方」でお伝えした通り、人生全体の様々な分野で個別に夢を決めて全体のバランスを整えて欲しいと解説しましたが、それをこの自分自身に語りかける言葉の中でも適応させつつ、それぞれが矛盾することのないように調和させていきます。

そこから、自分自身で語りかけるための言葉を自作し、しばらく実践を続けていると

「なんか違うな・・・」

と思う部分が定期的に出てくるので、自分の中で完璧にしっくりくる表現になるまで無駄に曖昧になっていたり、冗長な表現がないか、常に検討しながらその都度書き改めつつ、自分自身に語りかけ続けていきます。

トレーニングと同じく、続けていないとそこまで効果を感じないものなので、期間を決めたりせずに毎日のお風呂や歯磨きのように捉えて習慣化させてください。

一回あたり数十秒で終わるものなのでとても簡単に習慣化できます。

そして、最後の決まりごとは

「決して他人と共有せず、自分だけの秘密にすること」

です。

これはもう単純で、

「ルールに基づいて夢を決めたことも」
「自分で言葉を作って、毎日自分自身に語りかけていることも」
「日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けることも」

誰かと共有せずに自分だけの秘密にしてください。

夢の内容を教えたり、自分で作った語りかけるための言葉を見せたり、自分自身に語りかける姿を見せたりしてはいけません。

厳密に言えば自分の言葉を心の中で観察していることくらいは人に教えても良いのですが

「なんでそんなことしてるの?」

とでも聞かれれば自然にセルフコーチング全体の話になってしまうと思うので、言わなければバレない事ですし、念のため徹底的に秘密にしてしまった方が良いと思います。

なぜ秘密にしなければいけないのかと言うと理由はふたつあって

ひとつは

「邪魔されないようにするため」

そしてふたつめは

「パフォーマンスを落とさないようにするため」

です。

よく、積極的に自分の夢を公にして自ずと引くに引けない状況を作ることによってモチベーションを高めようとする方がいますが、あれは典型的な悪手で、強いて言えばどうしてもやりたくないことを自分自身に無理矢理やらせるような時にしか使えません。

「生理的な現状維持の働き」について解説したあとなので、それがなぜ典型的な悪手になるのかも理解しやすいと思いますが、それで自分自身を動かそうとしても前提として「やりたくない」と思っている自分が「元の自分」になっている以上は、上り坂に向かって車のエンジンがかかっていないのに後ろから無理矢理手で押し進めようとしているような状態ですから、押して登るより乗って運転する方が早いと気づくまでは地獄が続きます。

実際に、子供の頃を思い出していただければわかりやすいと思うのですが、人は

「自分が心からやりたいと思っていること」

「何らかの事情により義務的にやらなければいけないと思っていること」

とでは、パフォーマンスに圧倒的な差が生まれます。

自分が心からやりたいと思っている好きなことは頼まれなくとも四六時中やり続けられますし、自然と体が動きますが、義務的にやらなければいけないと感じていることについてはその都度心を鬼にしないと体を動かせないので、ストレスがかかって心身ともに不自然に疲れてしまうんです。

これが災いして、積極的に自分の夢を他人に共有してしまうと、そもそも自分が心からやりたいと思っていたことであっても、意図してやっているかどうかにかかわらず、他人の視線を感じて「やりたいこと」が「やらなければいけないこと」に変わってしまうため、秘密にする事が決まりごとのひとつとなっています。

そもそも、夢は決めたらそれで終わりではなく、いつでも気軽に変えて構いません。

夢が叶いそうになったらその都度もっと先へ更新するものですし、実践し続けるうちに視野が広くなっていくと最初に見ていた物の見方とは全く違う感覚であらゆる物事を捉えるようになるので、始めたばかりで3ヶ月も適切に実践していれば当初と全く違う夢を想像していたとしても別に不思議なことではないんです。

ただ、そうなっても全く不思議じゃないことを知らない方から見れば

「ちょっと前まであんなこと言ってたけど今は全然違うことしてるし、なんなんだあいつ」

と思われても仕方がないので秘密にする事が重要になってくるのです。

家族や親友のような特に親しい間柄だけなら良いのではないかと思われがちですが、生理的な現状維持の働きは自分以外にも平等に働いていて、逆にそういった近しい関係性の人に共有してしまう方が危険なのであらかじめ覚えておいてください。

5-2.ルールに基づいて自分に語りかけるための言葉を作る具体的な流れを例文付きでシミュレーションしてみた

では、次に自分自身に語りかけるための言葉を自作していく基本的な流れをシミュレーションしてみましょう。

今回、例として作る言葉は私が実際に利用しているものではなく、架空の「自分の夢」が決まっていて、それを叶えるためにまっさらな状態から自分自身に語りかける言葉を作ろうとしている方を想像しながら、組み立てていこうと思います。

まず「夢」についてですが、自分の夢をそのまま公にするわけにもいかないので、ここはざっくりと今現在世界が抱えている大きな問題をまとめて

「貧困や飢餓、紛争、差別のような現在世界が抱えている問題を全て解消して、世界に生きる全ての人々が等しく平和で豊かな生活を送れている社会を実現する」

という夢にしてみましょう。

ちゃんと心から望めるもので、少なくとも今の私にはどう叶えればいいのか見当もつかないような現状の外側にある夢になっています。

先ほど解説した流れに沿って自分自身に語りかける言葉を組み立ていくと、まずひとつめの決まりごとは

「個人的な内容で、他人と比較せず、肯定的な言葉にすること」

でしたよね。

そのため、具体的な行動内容で言えば自然と世界中を巻き込んで活動していくことになるとは思いますが、まずは個人的なものにするため

「私は(または僕は)〜」

からスタートします。

加えて、今までに平和活動に勤しんできた歴代の偉人たちや、現在進行形で活動している方々と自分を見比べて比較対象にしたり、「差別を許さない」や「紛争を憎む」のような否定的な表現を避け、「平等で思いやりに溢れた平和な世界」のような肯定的な表現になるよう意識します。

そして、ふたつめの決まり事に

「現在進行形で達成している表現を使い、感情や行動に強い臨場感を感じるリアルなものにすること」

という決まりごとがあるため、まずは

「〇〇だ」
「〇〇している」

のような現在進行形で達成している表現を使うところから始めてみます。

ここまでの内容を踏まえて、ひとまず自分の中で簡単にまとめると

「私は、世界に生きる全ての人々が等しく平和で、思いやりに溢れた豊かな生活を送れている社会を実現し、その状態を徹底的に維持するため、日々精力的に活動し続けている。」

という表現にまとめる事ができました。

ここまでくれば、後は「感情」や「行動」に強い臨場感を感じるような言葉を書き加えて微調整していくだけです。

恐らく感情面で言えばどこを見渡しても辛く悲しい思いを胸に生活している人がいない「嬉しさ」や、そんな世の中を本当に実現してみせた中心人物として世界各国の要人たちから頼られ、強く尊敬されている「誇らしさ」を強く感じると思います。

そして、行動面で言えば圧倒的な知性と求心力で世界各国を飛び回りながら、世界中の国家元首や経済界の大物たちと対等にコミュニケーションを取り、平等にあらゆる問題を軽々と解決して回ることで、世界中から頼りにされている自分なんかが想像できるのではないでしょうか?

このような流れで大まかに理想的な自分の姿を作り上げていき、夢を叶えている自分を臨場感豊かに想像しつつ、ここまでを踏まえて最終的な形を言葉にしていきます。

その結果がこちらの例文です。

「私は、世界に生きる全ての人々が等しく平和で思いやりに溢れた豊かな生活を送れている社会を実現し、その状態を徹底的に維持するため、日々精力的に活動している。」

「私が持つ圧倒的な知性と求心力を用いて、世界中を飛び回りながらあらゆる国家元首や経済界の大物たちと対等にコミュニケーションを取り、世界が抱えているあらゆる問題を平等に軽々と解決して回ることで、国籍や人種を問わず、世界の平和を守り、維持している中心人物として世界中の多くの方々から頼られ、強く尊敬されている自分が誇らしい。」

「私が日々、自分の力を最大限に発揮して世界の平和を守り続けることによって、どこを見渡しても豊かで幸せに生活している人しか目にする事がない、この穏やかで幸せな現状を維持できている事がとても嬉しくてたまらない。」

ここまでが、架空の

「貧困や飢餓、紛争、差別のような現在世界が抱えている問題を全て解消して、世界に生きる全ての人々が等しく平和で豊かな生活を送れている社会を実現する」

という夢を持つ方を想像して作った、自分自身に語りかける言葉になります。

あとはこの要領で、ご自身が設定している複数の夢に対してそれに対応する個別の言葉を作ったり、全ての夢がバランス良く実現されている究極的な状態を想像して言葉にしてみたり、ご自身の決めた夢に合わせて、自分自身に語りかけるための言葉を作る際は参考にしていただけますと幸いです。

5-3.自作した言葉を用いて効果的に自分自身に語りかけるための具体的な実践方法

それでは続いて、ここまでを読んで自分自身に語りかけるための言葉を作り終えていることを前提に、自分で用意した言葉を自分自身に語りかけるための具体的な実践方法の解説に参りましょう。

日々、効果的に自分自身に語りかける際の重要なポイントは

「寝る直前と起きてすぐの1日2回を習慣化すること」
「過去の望ましい感情を体感だけ切り離して語りかける時に活用すること」
「なるべく感覚の全てを使って夢を叶えている自分に集中すること」

の3つです。

まず、最初の寝る直前と起きてすぐの1日2回を習慣化することについては概要の解説をしている時からお伝えしている通りです。

理由として、就寝前は1日の中でも特にリラックスしているタイミングで、寝る直前に自分自身に語りかけてそのまま入眠していくと語りかけた言葉が記憶に定着しやすくなりますし、起きてすぐのタイミングも同じく1日の中で特にリラックスしてるタイミングであり、起床時のまっさらな状態からすぐに自分自身に語りかけることによって、起きてから寝るまでの1日の自己イメージを余すところなく理想の状態に固定したまま生活する事ができるため、このタイミングをおすすめしています。

実際は実践するタイミングや回数に決まりがあるわけではないので、1日2回以上やりたい場合は適宜お好きなタイミングで実践してみてください。

次に、過去の望ましい感情を体感だけ切り離して語りかける時に活用することについてですが、ここが実践において特に重要なポイントになります。

やり方は簡単で、過去に経験した「楽しかった思い出」や「嬉しかった思い出」などの肯定的で強く感情が昂った時の記憶を思い出して、自分自身に語りかける時にその体感だけを引き出して語りかけながら一緒にその感覚を結びつけて欲しいんです。

手順通り自分自身に語りかける言葉を作っていれば、自然と「嬉しい」や「誇らしい」のようなポジティブな感情を表す言葉を使っているはずですから、その言葉を口にするタイミングで過去の思い出から同じ感情を味わっている体感を引っ張り出して、理想の自己イメージとポジティブな体感を合わせるように意識していれば実践しているうちに自然と結びついて行きます。

過去の記憶からどうしても思い出す事ができない場合は、新しくその体感に応じたものを経験しても大丈夫です。

「気持ちいい」なら温泉やマッサージくらいで十分ですし、「嬉しい」ならゲームでちょっと難しい要素をクリアするだけでも十分です。

「誇らしい」ならボランティアや、軽く感謝されるくらいのちょっとした善行をするだけでも構いません。

使う思い出はポジティブなものであれば本当になんでもいいのですが、過去の記憶をそのまま思い出すのではなく、その時の体の感覚だけを引き出して活用することに慣れるのが重要です。

やり続けていればコツを掴んで自然と慣れてくるので、実践するたびに体感を引き出してイメージと合わせることだけは絶対に欠かさず実践するようにしてください。

体感を引き出すのに慣れてきたら、今度はその体感をほんの少しだけ強めていきます。

楽しかった思い出を話す時にテンションが上がりすぎてちょっと誇張しながら話すような経験を誰しも一度くらいはしていると思うのですが、その感覚で体感を引き出したらそれをほんの少しだけ強めるんです。

個人的な感覚としては元の体感から「1.01倍」に強めるような感覚です。

自然に自分自身に語りかける時に過去のポジティブな体感を合わせられるようになったら、その感覚を少しだけ強める練習をしながら

「前にやった時より必ず1.01倍だけ強めて体感を出す」

という意識を持ちながら、毎日続けるのを忘れないようにしてください。

そうすると習慣的に自分に語りかけることを続けていれば雪だるま式に体感が強化されていき、半年も経つ頃には最初と比べ物にならないくらいの強いポジティブな体感が自分の理想的な自己イメージに結びつけられたまま実践を続けられているはずです。

これができていないと理想的な自分の状態に強いリアリティを感じる事ができずに絵に描いた餅を延々と見続けることになるので、特に注意して取り組むようにしてください。

続いて、最後の重要なポイントは

「なるべく感覚の全てを使って夢を叶えている自分に集中すること」

です。

この自分自身に語りかける作業は一度語りかけるならその瞬間だけで良いので、徹底的に自分の決めた夢に集中して、その数十秒に全身全霊をかけて実践した方が効果的に活用する事ができます。

筋トレに似ていますが、ながら作業でだらだらと長く続けるくらいなら、短い時間でいいので、その瞬間だけはひとつのことに集中して実践するようにしてください。

そして、その際はできる限りで良いので、自分の五感のような感覚全てを総動員させながら集中して欲しいんです。

例えば、慣れてきて文章を全て丸暗記できていたとしても、紙やスマホのメモ帳なんかを使って、自作した言葉を自分の目で見ながら実践した方が効果的です。

私はどれだけ文章が固まっていてもそのうち内容を調整する可能性があるため簡単に修正できるようスマホのメモ帳に書き残しておいて、そのメモ帳を開きながら声に出して語りかけるようにしています。

文字を実際に目にしながら語りかけることによって「視覚」を、語りかける言葉を目にしながら誰にも聞こえないくらいの小声でもいいので、実際に口を動かしながら声に出すことによって「聴覚」や「体の動き」を、「夢を叶えている理想的な自分の状態」に繋げて体に覚え込ませる事ができます。

それ以外に自分に語りかけている時の体の姿勢を決めたりするのも良いですし、五郎丸選手のようなハンドサインを作って、そのハンドサインと繋げて実践するのもおすすめです。

ハンドクリームや香水で決まった匂いを作れば嗅覚も動員できますし、自分が好きで常に携帯している飴やガムのようなものがあれば味覚も動員して、自分の感覚全てを「夢を叶えている理想的な自分の状態」に紐づけながら実践するのが理想的です。

私の場合は珈琲が紐付いています。

ただ、味覚や嗅覚を動員するのは人それぞれのライフスタイルによって合う合わないが激しく分かれると思うので、たまたま都合よく噛み合うものがある場合に限り、積極的に活用するくらいの感覚で良いと思います。

ここまでに解説してきたポイントをしっかりと守って実践すれば、自分自身で言葉の力を効果的に活用する事ができるようになっているはずです。

6.効果的に自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けるための具体的な実践方法について

続いて、ここからは

「効果的に自分が日々発している言葉を観察し、適宜修正し続けるための具体的な実践方法」

について解説します。

大まかな全体像を解説する際にもある程度の内容はお伝えしていますが、基本的には自分自身の発している言葉を実際に口に出したかどうかにかかわらず、心の中までを含めて、常に観察し続けながら「良いもの」を受け入れて「悪いもの」を取り除く、心のデバッグのような作業をしていきます。

基本的なポイントは箸渡しでなぜ嫌な気持ちになるのかを解説した際にお伝えしていた通り、常に自分自身の心をひとつ上の視点から観察する癖をつけることで、自分自身の夢を叶えるにあたって都合の悪いものを無力化し、逆に都合の良いものを積極的に受け入れて強化する事で、自分自身の中にあるバグを克服していきます。

こちらも自作した言葉を自分自身に語りかけるのと同様に、前提としては自分自身がルールに則って決めた夢を叶えるために実践するものなので、基本は初めに夢ありきで取り組むものです。

ただ、まだ自分の夢が決まっていない方でも、ポジティブなものを受け入れて、ネガティヴなものを無力化するためだけに取り組んだとしても精神衛生上効果的に働くと思います。

まだ夢が決まっていない方は

「自分が思う、自分自身の人生をかけて成し遂げたい使命みたいなものってなんだろう・・・」

とか

「世間体とか見栄とか、ややこしいことを抜きにして自分が本当に心から望んでるものってなんだろう・・・」

というようなことを、言葉にもできないくらいに漠然とで良いので、頭の中で模索しながら取り組んでみてください。

6-1.自分自身が日々発している言葉を観察するための基本姿勢

自分が日々発している言葉には意識的に発しているものと無意識に発しているものの2種類があり、実はその全てを含めると、人は1日あたりざっと4万回を超えるくらいの言葉を発しています。

試しに3分くらいで良いので、ここで学ぶ手を止めて、目を瞑るか、その辺にある点やシミのようなものを見つめて、ぼーっとしながら自分自身の中から出る言葉を観察してみてください。

何もせず、ただ茫然としているだけなのにしばらくすると何か思い出したり、考え始めたり、自然と何かを想って、その何かが基本的に言葉で処理されていくのが分かると思います。

バスや電車、病院での待ち時間のような手持ち無沙汰な時間でも自然とそうなるので、誰しも思い返せば一度や二度は経験があるはずです。

ちなみに、今の時点で観察している時に何を思い出したり、考えたりしたのか覚えているでしょうか?

次に、思い出せたとして、それはご自身の決めた夢を叶えるにあたって望ましいものだったでしょうか?

それは恐らく、望ましいか、望ましくないか、またはどうでもいいかの3択で処理できると思うので、そのまま3つのどれかに割り振って評価してください。

ここまでが自分自身が日々発している言葉を観察するための基本姿勢になります。

今はあらかじめ自分自身を観察することに集中したうえで心の中に出てきたものを評価してもらいましたが、最終的にはこれを生活における全ての場面で自然と実践できている状態を維持するのが理想です。

最初は難しいと思われるかもしれませんが慣れれば意外と簡単なもので、感覚的には車の運転なんかと要領は似ています。

車の運転は、ハンドルを操作しながら周りの状況を複数個のミラーで確認しつつ、アクセルとブレーキを足で操作して、マニュアルならそこからさらにクラッチとギアの操作も含めたりと、安全に運転するにあたって必要な全ての作業を「運転する」という一つの意識に束ねる事によって実現していますよね。

大抵の方は慣れてくればその「車の運転」にも余裕ができて、助手席に座っている友人と談笑したり、後部座席に座っている家族の様子に気を配ったりもできる状態で安全に運転できる訳ですから、実践する際は普段の生活に「言葉の観察」という作業を付け加えて、ひとつ上の視点で自分自身を観察しながら生活することに慣れている感覚を定着させることが重要なコツになります。

慣れてきて観察し続けながら自然と普段の生活を続ける事ができるようになると、自分が生活している中で自身の心の声や実際に発している言葉だけでも数えきれないくらいの言葉に囲まれて生活している事がわかると思います。

幼い子供が育っていく過程でテレビや映画などから見聞きした悪い言葉を自然と覚えて使い始めてしまう流れを思い出していただければわかりやすいと思うのですが、これは子供に限らず大人であっても変わらずそうで、悪い言葉を積極的に見聞きして受け入れていけば、それは自然に言葉遣いにも現れますし、ここまでに時間をかけて言葉の力を解説してきたように、それが回り回って自分自身の性格や態度にも現れ、人格や習慣として定着していきます。

幼い子供であれば周りの大人が注意できますが、いざ大人になってしまえば普通はわざわざ親切に注意してくれる人もいませんから、周りに流されずに生きていたいなら、自分の言葉には自分自身が一番注意を払って生活する必要があるんです。

そのため、自分自身に自分で作った基準となる言葉を語りかけつつ、普段の言葉遣いや心の声にも注意を払って観察しながら意識的に矯正する事が、非常に重要な要素になります。

6-2.言葉を観察する時に意識して欲しい表現と矯正するために便利な言葉

次は自分自身が発している言葉を矯正する時に意識して欲しい表現と便利な言葉について解説します。

大事なことなので何度も言いますが、この取り組みはセルフコーチングの一環で、自分自身が決めた夢を叶えるために日々実践していくものなので、予め暫定的にでも自分自身の夢を決めている事が大前提です。

優先順位としては何よりも「自分の夢を決める」ことがまず優先されるので、決まるまでの間にとりあえず練習で言葉の観察から取り組むのは良いのですが、夢を決めるつもりもなく実践するのはお勧めできません。

意味がないというわけではありませんが、勿体無いのでせっかくやるなら夢を決めるところから実践してください。

というのも、言葉の観察にあたって意識する基準も

「自分にその夢を叶える能力があると確信するために望ましいものかどうかを基準として評価しつつ、望ましいものは積極的に受け入れて口にも出すようにし、望ましくないものは意識にあげて無力化する」

というのが実践のベースになるためです。

単純にポジティブな言葉を受け入れて積極的に口にしていくだけでも効果的ではありますが、例えば

「大丈夫、私ならできる」
「少しづつ大きな夢を叶えていく日々が凄く充実していて何より楽しい」
「今日もいい1日になる、可能性は無限大だ、軽々と夢を叶える面白い人生にしよう」
「どれだけ不利な状況でも、どんな事があろうとも、誰に無謀だと言われようと、私ならできる、必ず成し遂げる」

のような、自分自身に、自分が決めた夢を実際に叶える事ができると確信させられるような言葉に対して積極的に活用して欲しいんです。

もちろん、言葉にするときの表現はご自身の理想的な性格に合わせたもので構いません。

あと、実際に口にするのが恥ずかしかったり、周りの目が気になる場合は心の中だけで大丈夫です。

そして、あえて例は出しませんが、これとは逆に弱音や悪口、妬み嫉み、言い訳、愚痴、陰口、皮肉のような、ネガティヴで自分自身の可能性を潰すような言葉はまず自分自身で口にはせず、心の中で自然に出てきた場合もそれに捉われないよう、気になったら意識にあげて無力化していきます。

無力化する際に覚えておいて欲しい便利な言葉は

「自分らしくない」

です。

前提として、ネット上での誹謗中傷なんかが特に顕著ですが、普通に社会の中で生活している以上はあらゆるメディアや人間関係に触れて生活していくなかで、ネガティヴな言葉を完璧に遠ざけることはできません。

自分が口にしなくとも自然と目や耳に入ってきますし、であればそこから影響を受けて自分の心からも自然に出てくるようになるわけで、ネガティヴな言葉が良くないからといって、それを社会からも、自分の心の中からも、完璧に消し去ることはできないんです。

そのため、それに捉われてしまわないように「消す」のではなく「無力化する」という表現で解説しています。

箸渡ししているのを見て

「うおっ・・・あ、まぁ、いいか。外国の人かもな。」

とでも思えば嫌な気持ちが消えるのと一緒で、観察が徹底されているとネガティヴなものでも気になった瞬間に自分の裁量で適切に処理することができるようになります。

いわゆる、魔が差したり、我を忘れたりする事がなくなるんです。

そういった自分にとって良くないものを思ったり、やりそうになった場合に活用して欲しい便利な言葉が

「自分らしくない」

という言葉で、これは言葉に限らず、自分自身の日々の行動全てに活用できるものになっています。

要は「夢を叶えている理想的な自分」を基準にして、望ましいものを

「自分らしい」

と表現し、望ましくないものを

「自分らしくない」

と表現する事によって、言葉に限らず、日々の自分自身の立ち振る舞い全てを理想的な自分に合わせて矯正する事ができるんです。

ネガティヴな言葉に囚われている時はもちろん、ついついストレスで暴飲暴食してしまいそうになったり、やるべき事があるのにYoutubeやtiktokに夢中になっていたり、なにか自分の中で魔が差してしまって合理的に考えればやるべきではないことに苛まれている時はぜひ、意識にあげて

「自分らしくないな」

と評価するところから始めてみてください。

まずは自分らしくいきましょう。

6-3.観察を途切れさせずに日常生活を送るコツ

続いて、ここまでの内容を踏まえて日々、自分自身の言葉を観察しながら生活しようと取り組み始めると自然にぶつかる一つの壁があります。

それは「観察が頻繁に途切れること」です。

例えば単純に何かに気を取られていて随分前から観察をやめてしまっていたことを後になって思い出すなんてことは日常茶飯事ですし、車の運転中なんかは流石に観察より運転を優先すべきなので、そういった場面まで含めて完璧に観察している状態を途切れさせずに生活しようとすると慣れるまでに結構なトレーニングが必要な事がわかります。

言葉の観察について説明している段階で車の運転を覚えるのに似ていると例えましたが、まさに教習所から始めて、路上の運転に慣れるくらいの練習が必要なものであることは自覚した上で取り組んでもらえると安心して根気良く取り組めるのではないかと思います。

言葉の観察を完璧にしていくまでの過程をイメージできるように言葉にすると、まずは「観察しようと思う」ことから始まります。

生活の中で意識的に観察しようと思い立ち、観察を始める。

そしてそのまま、観察をしばらく続けながら生活していると「観察しようと思って観察していたのに観察できていない状態」に入ります。

通常、この観察が途切れた瞬間に気づくことはなく、しばらく経って

「あっ、しまった。そういえば観察できてない」

と気づくタイミングがあります。

ただ、この自分自身が気づいたタイミングでは観察できていない事に自分で気づいているので観察が再開されています。

そのため、観察しようと思って意識しながら観察していると自然と途切れてしまい、途切れてから、途切れたことに気づけない間までのブランクができてしまうのです。

このブランクをどうすれば防げるのかというと、言語化して説明するのが難しいところではありますが、観察しようと意識しているわけではないのに自然と観察しているくらいの習慣化が鍵になっています。

運転の例えで言うと助手席に座っている友人との会話に集中してはいるけれど、そのまま車間距離や車の速度は一定に保っているし、自然と安全に運転するための感覚は維持されていて、改まって安全に運転しようという意識を作ってはいないけれど無意識に安全運転ができているような状態です。

これができていないと助手席に座っている友人との会話に意識を持って行かれて事故を起こしたりすると考えると、観察しようと思わなくても自然に観察している状態を感覚的に掴みやすいのではないかと思います。

この感覚が掴めると観察の途切れが無くなるので、起きている間はリラックスして気持ちを落ち着けるだけで、ずっと無意識にモニタリングが続いている状態を維持する事ができるようになります。

ただ、これには「慣れ」が非常に重要になってくるので、最終的にはこの状態に入ることを考慮しながらも、完璧に慣れるまでは意識しながら「観察しようと思って観察をするトレーニング」が必要になるのです。

これが言葉の観察を途切れさせずに日常生活を送るためのコツになります。

ただ注意点として、これができていても緊張状態では自然と効果は発揮されません。

助手席に乗っているのが恋人で、喋っていたらうっかり怒らせてしまって今にも破局しそうとなれば車の運転なんて気にしている場合じゃなくなるのと一緒です。

そのため、基本中の基本として常に徹底的にリラックスした状態で生活することは忘れないでください。

7.叶えたい夢があるなら、まずはとにかく始めてみよう

ここまでで、セルフコーチングについての解説は終わりにします。

深く掘り下げようと思えば話すことはいくらでもありますが、今回は

「まずはなにより実践して欲しい」

というのが前提にあって、そのために「専門用語を極力排除して、尚且つ、このコンテンツだけでも独学で十分に結果を出すまで実践できるレベルのものにする」というテーマを持って制作しています。

休みの日に1日だけでも時間を取って一気に学び、ルールに則った夢を決めて、その夢に応じた自分自身に語りかける言葉を作ってしまえば、あとは、歯磨き感覚で習慣的に自分自身に自分で作った言葉を語りかけつつ、言葉の観察を途切れさせずに日常生活を送るだけですから

「今までの自分を変えて人生をもっと面白くしたい」

「どうしても超えられずにいる壁を自分の力で正面突破したい」

「これから前人未到の未知なる領域に踏み込むので、どんな状況でも揺らぐことのない不動の心が欲しい」

なんてニーズがある方はぜひ、今すぐに取り組んでみてください。

誇張抜きで、お金もかからず知識さえあれば全て自力で実践できることだけを用いて解説しているので、ここまでしっかりと学んできたあなたならもうできるはずです。

私は真剣に人生を変えたい、自分の殻を破りたい、もっと大きな志を持って生きたい、と強く思っている方にコーチングを通じて貢献したいと心から思い活動しています。

進んだ時間は巻き戻すこともできず、生命時間は有限です。

このコンテンツが少しでも自分の人生と真剣に向き合っている方のお役に立てれば幸いです。

8.セルフコーチングの弱点とパーソナルコーチングとの違いについて

ここからは本題とは少しずれますが、追記がてらにセルフコーチングの実践にあたって覚えておいて欲しいセルフコーチングの弱点や、プロのコーチとコーチング契約を結んで行うパーソナルコーチングとの違いについても簡単に解説しておきます。

まず、セルフコーチングとパーソナルコーチングの違いについてですが、この二つは「マインドの上手な扱い方を覚える」という目的は共通しているものの、具体的な役割としては別物として捉えた方がいいくらいに違った特徴を持っています。

その大きな特徴の違いは何かというと「利害関係を抜きにして、徹底的に客観的な働きかけができるかどうか」という部分の違いです。

プロのコーチは経営コンサルタントや税理士、弁護士のような仕事と同じく、高度な専門知識や技術をもってクライアントをサポートするのがコーチの役割で、仕事をしている中で自分の損得とは関係なくフラットな立場でクライアントに対して働きかけなければいけないという大前提があります。

経営コンサルタントがクライアントの悩みに対する解決手段を提案する際に、自分の身内が経営している企業と大口の契約をするように仕向けた提案をしたり、弁護士や税理士が正当な報酬とは別に回り回って自分自身の懐にお金が転がり込んでくるように仕向けながらクライアントの依頼に対応していたら真っ当な仕事として成立しないのと一緒で、専門家として仕事をするにあたっての正当な報酬は受け取りますが、それ以外の部分で客観視できなくなるような何らかの利害関係を作ってしまうと効果を発揮させるための前提条件が崩れて成立しなくなるのです。

8-1.完璧に相手のことだけを想って対応できるかどうかが結果に大きな違いを作る

具体的に言えばプロ野球選手からコーチングの依頼を受けて、続けていくうちにクライアントから

「今まで野球しかしてこなかったから気づかなかったけど、自分が本当にやりたいことは漫才なんだと思う」

と言われたらどうでしょうか?

仮にそのプロ野球選手が歴史に名を残すくらいのポテンシャルと結果を出していたとして、そんな状態からいきなり漫才がやりたいと言われたとき

「ちょっと待って、ここまでプロ野球選手として結果出してきたのにいきなり漫才やるの?」
「収入も知名度も凄いのにもったいないよ、頭冷やしてちょっと考え直してみたら?」

なんて言わずに、クライアントに寄り添って対応できるでしょうか。

利害関係が一切なく、クライアントのことだけを徹底的に想って対応している普通のコーチなら自然に対応できますが、そのクライアントの両親や恋人、友人なんかがそう言われたら動揺する人が多いと思います。

これは具体的な金銭のやり取りにかかわらず、無意識にでも損得勘定や利害関係の計算をしてしまうために起こる事で、専門的な知識があったとしても自然と判断が狂いやすくなるので身内や知人に対してはプロのコーチとして対応することが極端に難しくなるんです。

そのため、両親が自分の子供にコーチングをするのも、会社の社長が自分の会社の部下にコーチングをするのも、実は前提条件にあたる部分が破綻しているため、コーチングが持つ本来の効果を発揮させることはできません。

では、自分が自分自身のコーチとなる、セルフコーチングの場合はどうでしょう?

実はこの場合も自分で自分自身との利害関係を一切抜きにしてコーチングするのは至難の業なので、前提条件がクリアできていないためコーチングが持つ本来の力は発揮させる事ができないんです。

クライアントのためにコーチングが持つ本来の力を発揮するのであれば、利害関係が一切なく、徹底的に客観視した上で対応できるコーチングについての専門的な知識や技術を持った人でないと成立しないため、プロのコーチが必要になってきます。

8-2.自分で作る限界と、専門家に委ねてたどり着く限界の違い

では、セルフコーチングがダメなのかと言われると、そういうわけでもなく

「マインドの上手な扱い方を自分で学んで自分自身の役に立てること」

「利害関係が一切ないプロのコーチを雇ってパーソナルコーチングを依頼すること」

は、似ているけれど本質的には別物だと認識したうえで活用するものだと理解した上で実践してもらえれば、パーソナルコーチングとの差はあれど、十分に効果を発揮させる事ができます。

感覚的には独学での自重トレーニングとジムで専門のトレーナーさんを雇って行うパーソナルトレーニングとの違いを想像してもらえると分かりやすいかもしれません。

独学で、基本的にジムにも通わずトレーニングを始めたとしてもちゃんと効果はありますし、自分自身で専門性を高めていけば長い目で見ると究極的にはどこまでもいけますが、自分自身の裁量で追い込むのと横で信頼しているトレーナーさんに見てもらいながら本当の限界まで追い込んでもらうのとでは「トレーニングをする」という部分は共通していたとしても効果が出るまでの速度であったり、伸び幅には結構な違いが生まれるはずです。

どちらも行き着く先は一緒ですが、失敗したり、挫折したりする可能性も減りますし、クライアントのニーズに合わせて個別に客観的なアドバイスができるので、極力迷走する時期も作らず一直線に設定した目標に向かって安全な最短経路を進めるようになります。

これがセルフコーチングとパーソナルコーチングの違いであり、マンツーマンで行うパーソナルコーチングの強みです。

8-3.より一層、本気で更なる前進を望んでいる方はぜひ、信頼できる専門家を雇ってコーチングの本質的な力を体感してください

ここまでに解説してきた通り、セルフコーチングとパーソナルコーチングは実質的に別物で、それぞれが一長一短の特徴を持っています。

そのため、自分でまっさらな状態からセルフコーチングを学んで具体的に使いこなせるまでの時間的コストをかけたくない方や、プロアスリートのような、自分自身の持つ専門分野を突き詰めていくための時間を削って独学でコーチングを学ぶための時間を設けようとするよりは、信頼のおける専門家に任せてしまった方が効率的に最大限のパフォーマンスを発揮できると考える方は、プロのコーチに依頼して継続的にパーソナルコーチングを受けながらマインドの上手な扱い方を覚えていくことをお勧めします。

それ以外にも、先ほどの例で言えばコーチとクライアントとしての関係を作れない状況で、ご自身のお子さんに家庭教師感覚でコーチを雇うのも効果的ですし、自分の会社の部下に個別でプロのコーチを雇って生産性を高める働きかけを依頼するのも良いと思います。

ただ、単純に医師や弁護士、コンサルタントなどと同じく、専門家に依頼する時はそれなりのお金が発生するので、ご自身の予算や状況に合わせて判断してもらえれば幸いです。

特に、プロのコーチを雇ってパーソナルコーチングを受けた時にしか発生しない特有のメリットとして、自分の成功を一切疑うことなく真っ向から向き合ってアドバイスをしてくれるマインドの専門家が側に付いているという圧倒的な安心感や、自信のようなものは想像以上に力強く、強烈な勇気を与えてくれます。

半年だけでも相当な変化が生まれるので人生の中でここぞという場面があれば、その際にでもパーソナルコーチングをぜひご検討ください。

コーチの能力や対応にあたっての方針、自分自身との相性なども重要な検討材料になるため、直感的な部分も含めて

「この人なら間違いない」

と思える、信頼できるコーチと強い関係を築けるのは人生全般において結構な財産になると思います。

手前味噌ですが、私を信頼して下さるなら私でも構いません。

9.最後に

いかがだったでしょうか。

今回は「セルフコーチング完全習得WEBセミナー」と題して、すぐに内容を理解してそのまま実践してもらえるように専門用語を極力減らしつつ、集中して取り組めば1日で終わるくらいのボリュームになるよう解説してきました。

コンテンツのボリュームを適度に抑えるため解説を省いた部分もいくつかありますし、ここまでを学んでより一層の興味を持たれた方には最終的に専門用語の定義されている言葉の意味までを踏まえてしっかりコーチングを理解して欲しいので、もう一段階深く学ぶ際はぜひ書籍などを手に取って、個別に学びを深めていただけますと幸いです。

夢を決めて、自分自身に語りかけながら、日々発している言葉を観察する。

この3つを効果的に実践していくことで、あなたが決めた心から望んでいる夢を叶えられるイメージが臨場感豊かに作れていれば、6ヶ月も過ぎる頃にはあなたの運命はきっと激しく変わっていくでしょう。

ということで、今回の講座はこれで以上となります。

もし、この「セルフコーチング完全習得WEBセミナー」が少しでもためになったと思っていただけましたら、あなたが大切に思っているご友人やご家族、部活やサークルのメンバー、仕事仲間などにも共有していただけると嬉しいです。

部活や職場など、周りにコーチングに対して強い興味を持たれている方が複数居るのであれば、ぜひ沢山の人を巻き込んで一緒に実践してみてください。

「私なら自分で現状の外側に設定した夢を叶えられる」と確信している人が周りに多ければ多いほど、周囲の人間が周囲の人間を連鎖的に巻き込み続けて途方も無いエネルギーを発揮します。

そのほか、反響があれば今回は解説を控えたコーチングにまつわるあらゆるコンテンツもどんどん増やして、その都度メールマガジンの方でお知らせしていこうと思います。

それでは、また次回の講座でお会いしましょう。

長い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました!

Sota Yoshida

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