「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」は、TPIEというセルフコーチングプログラムの中でも基本的な概念なのでプロのコーチにコーチングを依頼した場合も、自分自身で自分に対してセルフコーチングをする場合もそれぞれ当たり前に利用される用語です。
年々、コーチングという言葉自体が一般的になっていることからコンフォートゾーンやエフィカシー、アファメーションなどのコーチングで利用されていた言葉自体も一般的に利用される機会が増えていますが、一般的になるにつれて本来の使い方や意味合いともかけ離れてしまった表現として使われるケースも増えています。
一般的な言葉になること自体は喜ばしいことだと思いますが、本来は一つ一つがコーチングで利用される重要な概念なので言葉の意味やコーチングで利用されるときの認識に違いがあれば、自然と誤ったコーチングの実践に繋がる可能性も高くなっていくでしょう。
本記事ではそういった状況を避けるためにも、おさらいとして「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」の基本的な解説に加えて、コーチングプログラムの中からこの2つを見たとき、自己変革やゴール達成という目的において「どう関係してくるのか」を解説していきます。

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「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」の基礎知識
「エフィカシー」についての基礎知識
エフィカシーを一言で説明するとしたら『自分のゴール達成における自己能力の自己評価』と表現します。
少しややこしい言い方かもしれませんが、平たく言うと『自分で設定したゴール(目標)に対して、自分がどれくらい自分に達成することができる能力があると評価しているか』という意味です。
コーチングにおいて特に重要なのは『他人から(周囲の人から)どう評価されているか』については全く考慮せず、あくまで『自分が自分の能力をどれくらい評価できているか』だけを意識していることがポイントとなります。
更に言えばコーチングでは『自分の過去』も『自分の現在』も考慮せずに未来だけを見据えたゴールを設定し、自分を評価することが強く重要視されている、というよりも絶対に破ってはいけない前提ルールのようなものなので
『過去の経歴や、今の能力、今所属している組織などを考慮してコーチングの解説をしたり、コーチとしての活動をしていないか』
をコーチングを学んだ人なのかどうかの判断基準としていただけると、自分で自分に対してコーチングをする場合も、他人からコーチングまがいのアドバイスを受けた場合も安全に対処することができるでしょう。
コーチングは一般的な表現をすると「クライアントの目標達成を手伝う」行為のことだと説明することが多いのですが、もう少し専門的な言い方をすると「クライアントのエフィカシーを上げる作業」がコーチングであると定義できます。
コーチングにおけるゴール設定のルールにも「現状の外側に設定する」というルールがありますが、「コーチングを行う」ということは誰であっても「まだ叶っていない、叶えたいものを叶える」ために行うはずです。
精神的な根性論のようなものは抜きにして「今まで全くやったことがない新しいこと」「過去に大きな失敗の経験があり、怖くて到底再挑戦ができないもの」「前例のない挑戦」を行うのであれば多かれ少なかれ不安を感じて当然ですよね。
「自分にできると思えない」という状態をそのまま「エフィカシーが低い」と認識してもらえれば、自分にできると思えないものをエフィカシーを上げることで「自分にできて当然なことだ」と認識してもらえる状態にする作業をコーチングだと捉えれもらえればコーチングそのものも理解しやすいかと思います。
「コンフォートゾーン」についての基礎知識
コンフォートゾーンは言葉の通りで「快適な領域」を表す言葉としてコーチング用語としても利用されています。
コンフォートゾーンの説明をするとき、特に一般的なもので説明をすると「人間の体温調節機能」が分かりやすいのですが、人間の体は自分の健康を維持するために「常に一定の心地よい状態」を維持しようとする働きを持っています。
熱い場所では汗をかいて体温が上がりすぎないように、寒い場所では体を震わせて体温が下がりすぎないようにする働きは誰でも持っていますし、意識するかどうかに関わらず自分の体が勝手に心地よい安全な状態を維持しようとしていることが分かります。
この自分にとって快適な状態、生命維持という目的において安全な状態から激しく変化しないように無意識が強制的に普段の状態、環境を維持しようとする働きを「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」といいます。
基本的には人間に限らずどんな生き物でも持っている機能ですが、人間特有の働きとして「情報空間にもホメオスタシスが働く」という特徴があり、コーチングにおいてはこの特徴を最大限に活用することでスムーズな自己変革を成功させています。
コンフォートゾーンは普段の自分らしい状態を維持するための基準となる環境を表すものであり、ホメオスタシス(恒常性維持機能)はその自分らしい環境から自分が外れないようにするための生理的な機能です。
エフィカシーの基礎知識を解説した時に「前例のない挑戦」や「今までに全く経験したことのないもの」「大きな失敗からトラウマ化しているもの」などを行う場合は根性論のようなものを抜きにして不安や恐怖を感じて当然だとお伝えしましたが、この不安や恐怖の源となっている働きが「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」です。
風邪で高熱を出しているときにわざわざ自分の意志で高熱が出ている状態を維持しようと思ってもできないように、健康的に生きているのであればホメオスタシスに逆らった行動を取ることは基本的にできません、逆にホメオスタシスに逆らうような行動は精神的にも肉体的にも酷く健康を害するので、ゴールが達成できるできないに関わらず決してお勧めしません。
ただ、それなら新しい挑戦などをするとき、自分の現状からかけ離れたものを手に入れようとしたときにホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いてしまい現状から変わらないようにされてしまうならどうやってゴールを達成するのか?と疑問に思われるかと思いますが、ここがコーチングの肝になっていて、コンフォートゾーンが特に関係してきます。
コーチングには「コンフォートゾーンを変える力」があり、「今のコンフォートゾーン」を「ゴールを達成しているコンフォートゾーン」に変えてしまうことでホメオスタシスの働きを逆手にとって味方に付ける事ができるのです。
風邪で高熱が出ているときに自分の意志で高熱を出し続けるのは困難ですが、逆に言えば高熱が出ているときに平熱まで熱を下げようとする作業は基本的に頼まなくとも自分の無意識が勝手に行ってくれます。
それと同じで、コンフォートゾーンから無理に抜け出そうとするのではなく、コンフォートゾーンから先に変えてしまうことでホメオスタシスが慌てて変わったコンフォートゾーンの中へと無意識に戻ろうとする働きを利用することで生き物としての生理的な働きを有効的に活用することでスムーズなゴール達成を実現しています。

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「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」はゴール設定に合わせて変わるもの
TIPEのコーチングプログラムの中から「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」を取り上げてコーチングとは何かを説明するとしたら
「クライアントに正しいゴール設定をしてもらい、エフィカシーを上げる事で今のコンフォートゾーンから、ゴールを達成することのできるコンフォートゾーンへ移行する作業」
と説明できると思います。
双方の言葉に共通して、見落としてしまうとコーチングの本質を見失ってしまう重要な要素に「ゴール設定」があります。
例えば、コーチング学び実践していく上で
「エフィカシーを上げられない・・・」
「コンフォートゾーンが変わらない・・・」
というような悩みはよく聞きますが、エフィカシーやコンフォートゾーンという言葉に意識が向いてはいるけれど「ゴール設定」や「アファメーションの実践」については意識が向いていない方をたまに見受けます(というより実はコーチングを学び始めた時期の私がその典型例でした)。
改めて、個々の言葉の役割を考えれば「エフィカシー」も「コンフォートゾーン」もコーチングにおいてメジャーな言葉ではありますが、それぞれの役割は共通して「仮の基準」を定めるために使う言葉であり、直接的に影響を与えるものではないことが分かります。
エフィカシーもコンフォートゾーンも「コーチングをする」ことによって変化するものであり、概念を理解して自分を観察する事で的確な判断を下すための物差しにはなりますが、「ルールに則ったゴールを設定しなければ」「アファメーションを継続的にしなければ」基本的に変わるものではありません。
もし、ゴール設定やアファメーションをせずにエフィカシーやコンフォートゾーンだけを切り取って変化が現れず悩んでいる方がいれば、改めてTPIEのプログラム自体を学び直す事から初めてみる事をお勧めします。
「エフィカシー」と「コンフォートゾーン」がTPIEのコーチングプログラムにおいて中心部分にある特に重要な要素であること、ご理解いただけたでしょうか?
この記事がTPIEを学ぶ方、コーチングやセルフコーチングに興味を持ち情報収集している方にとって有益なものになれば幸いです。

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