集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)とは

当サイトで推奨しているTPIEというセルフコーチングプログラムにおける様々な専門用語の解説記事になります。

今回は『集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)』についての解説です、当サイトでの学習にあたって基礎知識の確認に、ぜひご利用ください。

なぜ自分の思い通りにエフィカシーをコントロールできないのか

「集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)」は言葉の通りですが、組織や集団の中で個々のエフィカシーが集まり、影響を与え合いながら生まれる効果を指して「集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)」と呼んでいます。

一般的な表現をするのであれば「人と人とが集まって生まれる情報的な環境の力」が「集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)」です。

通常、コーチングの中でエフィカシーと言えば「個人が自分の手で、自分のゴールを達成できるとどれくらい評価しているか?」を表している言葉なので、エフィカシーという概念だけを捉えればいくら自分にとって身近な人であろうと、またはなかろうと関係なく、あくまで「自分が自分を評価する指標」であり、本来いかなる場合であろうと外部の影響を全く考慮することなく利用していい概念です。

ただ外部の影響を全く考慮することなく利用していいとは言っても、「いついかなる時でも自分の都合のみで自由自在にエフィカシーをコントロールできる」というのはコーチングの究極系のような技術になるため、前提にあるものだけで話をすると

Q.「どうすればエフィカシーが上げられますか?」

A.「上げたらいいだけじゃないですか」

と問答しているような、元も子もない状態になることもたまにあります。

この問答に関しては何一つ間違ったことを言っていないのですが、おそらくコーチングを極めた人がコーチングについての情報収集をしているわけもないので、この記事を読んでいる方にとってはほぼ間違いなく「そういうことを聞いてるんじゃない」という腑に落ちない感想に行き着くでしょう。

では「なぜ自分の都合とは関係なくエフィカシーに意図していない影響が出てしまうのか?」と言えば、典型的なものの一つに「自分が意識にあげることのできていない無意識の行動やセルフトーク」に理由があることもありますが、そのほかに「外部の環境から受け取ってしまう集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)に引っ張られてしまう」ことも典型的な意図せずに自分のエフィカシーに影響が出てしまうケースの一つです。

【復習トピックス】エフィカシーとは

エフィカシーは簡潔に説明すると「ゴール達成における自己能力の自己評価」を表す概念です。

自分で自分がどれくらいゴールを達成することができると確信しているか?という確信度は目標達成において何よりも重要な感覚で、コーチングでもセッション内で扱う専門的な概念は複数ありますが大前提として「クライアントのエフィカシーを上げる作業」を指してコーチングと表現するほど本質的なものです。

「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」が集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)の典型例

故事のことわざに「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」ということわざがあるのをご存知でしょうか。

意味を簡単に解説すると「子供の頃には並外れた才能があったとしても大抵の場合、大人になる頃には平凡な人間になってしまう」という意味合いで使われている言葉です。

言い伝えでは子供に対して慢心せずに努力を続けられるよう釘を刺すような意味合いであったり、親が並外れた才能を見せる子供に対して過度な期待をかけすぎないように戒めるような意味を込めて利用されてきたことわざだと解説されていることが多いのですが、このことわざはコーチング理論や集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)の内容を把握している人間が見ると集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)が悪い方向に働いてしまった典型例が言い伝えになるほど古くからあったのであろうことが伺える言葉です。

集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)は個々のエフィカシーが集まり、組織や集団の中で混ざり合いながら一つの指向性のようなものが生まれる事で「その集団内にいる人間全てがエフィカシーに対して同じ指向性を持った影響を受ける」事を指しています。

この部分を踏まえたうえで「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」という言葉を見たとき

「元々、高いエフィカシーを維持できていた子供が社会や学校など、特定の集団が持つその子供より遥かに低い集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)に巻き込まれてしまう事で平均化され、20歳になる頃にはただの人になってしまった」

という解釈をすれば集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)が身近なものであり「どう機能するものなのか?」も把握しやすくなると思います。

ホメオスタシスは影響力の強い人間や組織に同調してしまう

なぜ個々のエフィカシーは独立したものなのに組織としてひとまとめになると平均化されてしまうのかと言うと、その理由には「ホメオスタシス」の働きが強く関係しています。

ホメオスタシスは十数人単位の組織の関係や二人一組のペアのような関係など、お互いに影響を与え合うような関係性が生まれると「ホメオスタシス同調」と言って、影響を与え合いながら(厳密に言うとその組織の中で強い影響力のある人物を基準に)価値観が変わったり生理的な働きが揃ったり、様々な感覚が組織やペアの中で平均化されていくような働きを持っています。

軽く例を挙げると、仲が良く長期にわたって同居している女性2人の月経周期が自然と揃ってしまうような事例もありますが、こういった現象が「ホメオスタシス同調」です。

生理的な働きに影響が出るのと同じように「ホメオスタシス同調」はエフィカシーにも影響が生まれます。

子供の頃は並外れた才能を発揮する人間だったのが

「会社員になり会社の下っ端として決められたルーチンワークだけ延々と続け、夜は会社の人間と酒や夜遊びに付き合う日々を送る」

そんな生活を続ければエフィカシーが下がるのも当然で、もともと1人で自由に行動していた頃は高いエフィカシーを維持できていたのであれば、新しい組織や環境の持つ集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)に影響を受けてエフィカシーが下がってしまったと考えるのが妥当でしょう。

【復習トピックス】ホメオスタシスとは

ホメオスタシスは簡潔に言うと「自分の命を守るために生物として心地よい状態や環境を保とうとする働き」の事を指しています。

人間も含めて生き物の体温調節機能が特に分かりやすいかと思いますが、人には自分が心地よいと感じる「基準点」のようなものがあり、体温調節のような生理的な働きを超えて「自分らしい環境、状態」を無意識に維持するよう働いています。

意図しないエフィカシーの変化は意識に上げてポジティブな方向に働かせることがコーチングのセオリー

ここまで「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」ということわざを使って組織が持つエフィカシーが悪い方向に働いてしまったケースを紹介しました。

ただ、もちろんこれは意図せずに悪い方向に働いたケースであり、良い方向に活用しようと思えば集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)には様々な活用法があります。

何より一番わかりやすく有効に使えるのは「自分よりもエフィカシーの高い人たちの輪に自分の意思で入ること」でしょう。

なんらかの組織に入ることを考えている場合、新しく会社に入社する時も、新しく学校に通う時も、ほとんどの場合は組織に入った途端にその組織のリーダー格になるようなことはないでしょうし、その時に気になることと言えば「自分が入ったことで組織がどうなるのか」ではなく

「自分が組織の一員となることで、あくまで”自分”にどんな影響があるのか?」

が第一に期待することだと思います。

「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」の言葉にある「只の人」はエフィカシーや集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)、ホメオスタシス同調など知らないはずです。

ただ、ここまでを読み進めた方であれば「組織や集団」が自分にどのような影響を与えていて、エフィカシーは本来「自分の都合のみ」で影響を受け、自分の力で自在にコントロールすることが出来ると知っています。

意識に上がれば

「自分がどのような状態にあるのか?」
「自分の状態を把握した上でどう対処すれば良いのか?」

その答えは、きっと時と場合に合わせて柔軟に導き出すことができるでしょう。

そのほか、組織の中で特に強い影響力を持つことで組織全体のエフィカシーを自分の望ましい方向へ(より高いエフィカシーが生まれるように)働きかけることもできます。

集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)を理解し、どう活用していくことができるのか、ご理解いただけたでしょうか?

第9王子ハルケンブルグの守護霊獣は「集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)」の増幅器?

余談ですが最後に分かる人なら分かる、ちょっとした内容を付け加えておきます。笑

ジャンプで連載されている漫画「HUNTER×HUNTER」ではこの記事の執筆時に「カキン帝国」の「王位継承戦編」が盛り上がっています。

全く知らない方のために簡単にどんな内容かを解説すると、カキン帝国という国の王位継承権を持つ王子たち14名が次のカキン帝国の王となるため、一つの船の中で渡航中に生き残りをかけて争うという話です。

争いが始まるタイミングで「壺中卵(こちゅうらん)の儀」という儀式を王子14人が行い、それぞれが自分の特徴に合わせた「守護霊獣」という、王位継承をかけて戦うための守り神のようなものを授かります。

その中でも9番目の王子「ハルケンブルグ」の守護霊獣がとても集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)の働きとそっくりで面白いと感じました。

読んでない方にとっては少しだけネタバレですが、ハルケンブルグの守護霊獣は相互協力型の能力であり、同じ刻印の付いた人間が王子の元に集まれば集まるほど個々のポテンシャルが上がっていきます。

その上で、同じ刻印を持つ集団が一つの意志に統一して、能力を発動した時は言葉の通り桁が違う強い力を発揮する事ができるというものです。

集合的エフィカシー(コレクティブエフィカシー)に関わらず、コーチングの理論は噛み砕いて言うとマインドの使い方、脳と心の扱い方であり、実体のないものです。

そのため人によっては把握しにくいところもあるとは思いますが、そういった部分を漫画のようなものに照らし合わせて考えると可視化されて一気に理解しやすくなる方もいるかと思いますので、興味があれば是非ご覧ください。

関連記事

  1. アファメーションとは

  2. アファメーションの正しい作り方と確実に効果を出す日々のやり方とは

  3. アファメーションを本で勉強したい方におすすめ!まずは買っておきたい3冊…

  4. スコトーマとは

  5. 苫米地英人から学ぶ『コンフォートゾーンとは』(文字起こし要約付き)

  6. ドリームサポーターとは

  7. コンフォートゾーンとは

  8. アファメーションでお金が稼げる科学的な根拠とは【例文付き】

PAGE TOP