はじめに|「アファメーションなんて意味ない…」と諦めしてまったあなたへ
アファメーションはTPIEというセルフコーチングプログラムで利用されている、自分自身で的確に自己変革を図るために重宝されている手法の一つです。
ただ、コーチングやセルフコーチング自体が年々一般的なものになるにつれてアファメーションという言葉も一人歩きが始まり、中には
「おまじないのようなものだと思っていた。コーチングと関係があるなんて知らなかった。」
というような状態になってしまっている方も少なくないと思います。
ときおり、スピリチュアルなものや引き寄せの法則などと混ざってしまった状態で説明されてしまうこともあり誤解を生みやすくなっていますが、実はアファメーションは名だたる心理学者や認知科学者の方々が開発に携わり、NASAや米国国防総省、フォーチュン500の半数以上などが採用しているコーチングプログラムの一部であり科学的な裏付けがしっかりとあるものです。
そこで、そんな背景があるとは知らずアファメーションを知って漠然と「なんとなく夢が叶うもの」くらいに捉えてアファメーションを実践し、効果を出せずに実践を諦めてしまった方のために
「この記事をブックマークして都度確認しながら実践してもらえれば誰でも独学で効果的なアファメーションを作り、適切に実践できるようになる」
ことを目標に解説します。
これからアファメーションを実践してみたい、または一度挫折してしまったけど改めて真剣に取り組みたいという方は、まず本記事を参考に「正しい作り方」と「正しいやり方」を学び、改めて実践してみましょう。
きっと、上手くいきます。
1.アファメーションとは|自分に語りかける事で『なりたい自分に変わる』技術
まずはアファメーションの基本的な部分から理解していきましょう。
アファメーションは言葉自体を知らない方にもわかるような表現で説明すると
「ルールに基づいて作った言葉を自分に語りかける」
だけの非常にシンプルなものです。
この方法を発見し、自ら実践する事で経済的な成功はもちろん人生におけるあらゆる面でも豊かで素晴らしい生活を送られていたのがTPIEの開発者でありコーチングの元祖と言われている故ルー・タイスです。
ルー・タイスはコーチングの元祖と呼ばれるだけありコーチングプログラムの開発以外に国家元首を含め様々な業界のトップにいるリーダー達のコーチングにも携わっており、1人のコーチとしても、新しい分野の開拓者としてもあらゆる面で目覚ましい成果を残していました。
ルー・タイスが発案したTPIEがアメリカの連邦政府機関、州政府機関、国防総省、警察、フォーチュン500社の半数以上に採用されて成果を上げているのも含めて、まずルー・タイス本人がアファメーションを実践する事で自由にゴールを達成し続けていたことに異論を唱える人はいないでしょう。
ただ元々こう言ってはなんですが、ルー・タイスは生まれも育ちも極端に恵まれているわけでもなくワシントン大学で教育学修士を取得した後に普通の高校教師ならびにフットボールのコーチとしてキャリアをスタートしている方です。
フットボールコーチとして活動している過程で自分が指導していた経験をもとに人が成功していくための心の働きを研究し、それをコーチングのメソッドとして確立させつつ、そのプログラムがブラッシュアップされ続けて今に至ります。
アファメーションを実践して自分自身が成功を収めた後、ルータイスからアファメーションやコーチングを教わった多くの方々にもあらゆる分野で歴史に名を残すような成果を上げている人が多くいる事から、アファメーションがシンプルながら非常に強力なものであることが分かります。
ただ、
「とはいえ、なぜ自分に語りかけるだけのことがここまで自分自身に大きな影響を与えるのか?」
アファメーションの実践的なやり方の部分もそうですが「なぜ、自分に語りかける習慣を持つだけでここまでストレスを感じずに大きな成功を成し遂げられるのか?」を実践する前の基礎知識として解説します。
「言葉」には「信念」に働きかける不思議な力がある
突然ですが、あなたは「コーヒー、紅茶、緑茶の3つから好きなものを選んでください」と言われたら何を選ぶでしょうか?
私はそう聞かれたらほぼ間違いなく反射的に「コーヒー」と答えます。
恐らく、大抵の人は日によって選ぶものが変わるわけでもなく、こういった質問に対して無意識に答えてしまう決められた選択肢があると思います。
実は、このような場面で無意識に選択するものが予め決まっていて、考えるまでもなく自然と決まった答えを出してしまう例はTPIEのコーチング理論における「ブリーフシステム」の解説によく使われます。
ブリーフシステムのブリーフは日本語で「信念」を表していて、ブリーフシステムと合わせることで直訳すると「信念の体系」の事だと理解できます。
信念(ブリーフ)は脳科学的に言えばその人の前頭前野や大脳辺縁系に作り上げられた認識のパターンのことで、例えば先ほどのように「コーヒー、紅茶、緑茶」で三択をせまられた時に、意識せず「コーヒー」と答えてしまうのも信念(ブリーフ)の1つです。
そして、この「信念(ブリーフ)」の1つ1つはほとんどの場合、外部からの言葉を受け入れることによって作られています。
先ほどの例で言うと、私が無意識にコーヒーを選択するのは子供の頃から自分の両親がコーヒー好きで、よく親の真似をして缶コーヒーを飲んでいたし、「やっぱ紅茶よりはコーヒーがいいな」と紅茶を出された時に親がボヤいていたのを良く覚えているからです。
こういった例は私生活に支障の出ない些細なものですが、実は成人した人間のほとんどの判断はこういった、成長する過程において外部から言われた事を受け入れた結果出来上がった「認識のパターン」によるもので決めています。
「小さい子供の前では覚えてしまうから汚い言葉は使わないほうがいい」と言いますが、これもそういったネガティブな「信念(ブリーフ)」を作らないように配慮してのことです。
「うちの子供は勉強ができないから…」
とか
「うちの子は何の取り柄もなくて…〇〇ちゃんとは大違いで…」
などとお世辞にも言ってしまうと、それを聞いた子供本人には
「自分は勉強が出来ないんだ」「自分には何の取り柄もないんだ」
と内省的に言葉を受け入れてしまいネガティブな「信念(ブリーフ)」が生まれてしまう事も良くある例です。
では、例えば
「うちの子供は勉強も運動も手を抜かずに積極的に取り組んでいて、親の立場から言うのも恥ずかしいけど周りからすごく尊敬されてるので誇らしいです」
と言っているのが子供に聞こえた時はどういった「信念(ブリーフ)」が作られるでしょうか?
こういった「言葉を受け入れることによる信念の変化」を先ほどのようにネガティブな形で反映させるのではなく、逆に自分で自分に対してポジティブな言葉を投げかける事によって「今までに持っていたネガティブな信念をポジティブな信念に変えてしまう」のがアファメーションの働きです。
心の中で信念が変わると自然と越えてしまえる限界がある
ルー・タイスは
『ブリーフシステムが私たちの行動を規定する』
と考えていました。
基本的に人が大きく変革し、何かを成し遂げる時は心が先に変わり、次に心に伴った行動が生まれます。
アファメーションについて解説された先ほどの本からもう一つエピソードを引用すると
1954年までは、誰もが1マイル(約1600メートル)を4分未満で走るのは不可能だと思っていました。
ところが、ロジャー・バニスターがその壁を破りました。
その後の4年間に4分の壁は40回以上破られました。
なぜでしょう?、ランナーたちが4分を切るのは可能だとわかったからです。
というような事例も紹介されています。4分の壁を越える人が現れた途端に同じように4分の壁を越える人が増えたのは最初の1人が絶対に超えられないとされていた限界を超えてみせたことで
「あ、できるのか」
と「信念(ブリーフ)」が変わり、多くの人が4分の壁は超えられると確信できた事で心の中の縛りが自然と取れた例です。
紹介していたロジャー・バニスターの例は言葉をこえて実際にやって見せているのでより強い働きかけになっているのですが、アファメーションにはこういった「信念(ブリーフ)」から生まれてしまった「心の縛り」を直接現地に行って目の当たりにするまでもなく自由に外せる力があるんです。
言葉そのものにブリーフシステムを変える力があるというのもそうですが、それ以外にもコーチングの基本として『自分の目標(ゴール)をプログラムに則って適切に設定すること』もアファメーションを用いた自己変革と密接に関係してきます。
ゴール設定の3原則
アファメーションはコーチングを実践するための技術のひとつであり、なぜコーチングをするのかと言えば大前提として「今のままでは手に入らない、心から欲しい物や能力、環境を手に入れたい」からこそ行うものです。
それはコーチの語源が「四輪の馬車」を指し、「クライアントを目的の場所へ連れて行く人」という意味合いがコーチという言葉に込められていることからも分かります。
兎にも角にも「心から手にしたいもの」があるからこそ学ぶものであり、その大前提に重点を置くからこそ「十分な効果を出す為の明確なゴール設定のルール」があるのです。
コーチングにおけるゴール設定のルールは3つ
1.自分が心から望んでいるやりたい事であること
2.ゴールは複数用意すること
3.ゴールは現状の外側に設定すること
この3つがゴール設定において守るべきルールです。
1つ目はその言葉の通りの意味合いですが、もう少し付け加えると大事なのは「自分が本当に望んだことなのか?」という点です。
私の子供の頃と比べても驚くべきことですが最近の小学生くらいの子供に「将来の夢は?」と聞くと「正社員」や「公務員」と答える人がいるそうです。
小学生程度の年代で「正社員」や「公務員」がどんな仕事をしているのか知っている子はそうそう居ませんし、正直なところ個人的には到底、子供が憧れるようなものだとは思えません。
最初に「信念(ブリーフ)」は言葉を受け入れることからできると説明しましたが、明らかに身近な両親や学校の先生、普段見ているテレビなどから
「やりたいかどうかを抜きにした社会的に無難な選択」
を意識的かどうかに関わらず勧められて
「何をする人がよくわからないけどそうなった方が良いんだろう」
と判断してしまったのだと推測できます。
子供が何をする仕事なのかもわからないのに、自分の夢として設定してしまうのは明らかに「自分が心から望んだやりたいこと」に該当しません。
そして、それと同じように普通に社会生活を送っている人には「外部から知らないうちに刷り込まれた価値観」というのが想像以上に多くあります。
海外に行くつもりも、行く予定もないのに英会話学習になぜか強くこだわっていたり、何に使うのかも決めていないのに高収入であることやタワーマンション、ハイステータスなクレジットカードや車などに憧れを持っていたりする人に心当たりはないでしょうか?
少しでも心当たりがあれば今一度自分の胸に問いかけてみたほうがいいかもしれません。
余談ですが私の子供の頃の夢はカクレンジャーでした。
それはそれで訳わからないですね。(笑)
2つ目は、「複数のゴールを用意する」というものですが人生のバランスを整える為のもので単純です。
人の人生の充実を考えた時、重要な要素は数多くあります。
例えば、仕事のゴールだけを決めてその1つだけに絞って生涯を暮らそうとすると生活が不安定になります。
「仕事だけに集中して朝から晩まで仕事に精を出し、恋人も家族も作らなかった。友人や知人をないがしろにし、親や親戚にも事務的に対応するだけで全く関わらず、地域貢献もボランティアも何もしない、ただ人生の終わりには莫大な資産と力の衰えた自分だけが居た、生涯学習としての趣味もなく、ただ虚しく老いていった、ただ虚しく死んでいった…」
と表現すると悲劇的で極端ですが、こういった状態になることを防ぐためになるべく多くの分野でゴールを持ち、満遍なくゴールを達成していくことを勧めています。
まずは、そこまで深く考えなくていいのでゴールを設定するときは10〜20個ほどジャンル別に分けて設定しつつ、全てのゴールが満遍なく達成されている状態を想定してアファメーションに取り組みましょう。
そして、3つ目は「現状の外側にゴールを設定する」ことです。
現状の外側という意味を理解するのが難しいかもしれませんが、私はよく
「叶ったら叫ぶほど嬉しいけど、今のままでは絶対に実現できないこと」
と説明しています。「絶対に」という部分が重要で「100%」「間違いなく実現しない」という意味です。
最初にお伝えした通り、コーチングの大前提は「現状のままでは到底手に入らない心から欲しいもの」を手に入れたいからこそ行うものです。
このルールを勘違いしてしまう時に良くあるのが、自分が掲げる今のゴールを「現状を最適化した先にあるもの」に設定してしまうケースです。
よくある例が「今働いている会社で社長になる」というゴールを設定する人がいますが、これが典型的な「現状の最適化で叶うゴール」です。
最適化という言葉を言い換えると「今の自分を認めて、そのままの自分で最善を尽くす」と言うと分かりやすいでしょうか。
これはコーチングで成果の出ない典型例であり、理由も単純で「最初から今以上を求めていない」ことから結果を出しようがなくなります。
結婚相談所に結婚してから相談しにくるような、移動したい目的地に着いてからタクシーを呼ぶような、矛盾した状態です。
ただ、「なんだ、じゃあ自分は今の現状に十分満足してるし、アファメーションについて調べてみたけどやる事ないじゃん」と思った方は早計です。
そもそも、コーチングについて深い知識と能力を持ち、依頼を受けたクライアントのゴール達成を手伝う優秀なコーチは言わば「欲しいものを欲しいがままに手に入れることの専門家」です。
優秀であれば優秀であるほど、コーチである自分自身のゴールも当然のように達成してしまいます。
では、コーチングの専門家であるコーチは自分のゴールが達成される時どう行動しているのでしょうか?
答えは単純で「ゴールが達成されそうになるたびに、その先の現状の外側のゴールに設定し直してさらに先を望み続ける」ことを心がけています。
ゴール設定は輪ゴムのようなもので、現状とゴールの差が離れていれば離れているほど強い力でゴールに引き寄せられていきます。
強い力で引き寄せられ、ゴールに近づいたことで力が弱まればさらに先にゴールを設定し、また引き寄せられる力を強める。
これを繰り返すことで凄い力で長い距離を走り抜き、桁違いな生産性を創造しているのです。
今の自分を否定して、卑屈になってしまうよりはまだマシですが、現状に満足して「今の自分をそのままにする」のは車でいうとクリープ現象だけでゆっくりと進み続けているようなものです。
コーチを「欲しいものを欲しいがままに手に入れることの専門家」を例えましたが、それは決して強欲さから来るものではありません。自分一人の成功なんかささっとこなして、より多くの人の為に行動しようと思う利他的な動機から生まれる力です。
現状に満足されている方も、自分以外を含めた集合的に満ち足りた状態を想定して、想像してもいなかった本当に欲しいものを改めて望んでみてもいいのではないでしょうか。
ゴールを達成している自分に強いリアリティが生まれる法則「I×V=R」
3つのゴール設定におけるルールを守りゴール設定をした時、そのゴールを達成している自分は「どういった自分」になっているでしょうか?
恐らく、今の自分とはまるで違う状態になっていると思います。
そして、ゴールを設定した現状の外にいる自分の「ブリーフシステム」も当然今の自分とは全くの別物になっているでしょう。
ブリーフシステムの解説をしている時にルー・タイスの発言を引用して「ブリーフシステムが私たちの行動を規定する」とお伝えしましたが、その言葉の通りで「自分の価値観や行動が変わる、という事は当然その行動を規定しているブリーフシステムが変わること」を意味しています。
ここまでの「ブリーフシステム」と「ゴール設定」についての解説を読んで、ある程度察しのついている方もいらっしゃるかと思いますが、コーチングを実践することによってなぜ目標を達成できるのかというと
「ブリーフシステムを現状の外側のゴールを達成している自分のものに変えてしまう」
ことが、大きな要因になっています。
「信念(ブリーフ)」は、外部からの言葉を受け入れることからできた認識のパターンであり、その集合体が「ブリーフシステム」です。
人の行動を規定するのがブリーフシステムであれば、ブリーフシステムの変化は「自分の行動の変化」を表します。
例えば「自分は将来歴史に名を残すようなプロ野球選手になる」と心に決めて野球をやる子供は、周囲からネガティブな「信念(ブリーフ)」を作られないように配慮するのも重要ですが、自分の将来を確信することによって生まれるブリーフシステムを子供の頃からしっかりと維持することが更に重要になってきます。
先ほどの小学生の夢の例では「公務員」や「正社員」などの悲しい答えを例に挙げてお話ししていましたが、本来の子供が持つ夢は「世界で活躍するサッカー選手になりたい」とか「日本で一大ブームを巻き起こすような誰もが知ってるアイドルとして活躍したい」とか、思いっきり打算的な事を言われるよりはそういった夢を掲げている状態の方が想像しやすいんじゃないかと思います。
実際にこの記事を読んでいるあなたや子供時代の周囲の友人でも、似たような夢を持って憧れていた時期があるのではないでしょうか?
そして、そんな時期を経て大抵の大人が自然と出してしまう結論がこれです。
「子供の頃の夢をそのまま掲げて、その通りに成功する人間なんて並外れた才能のあるほんの一握りの人間しかいない」
実際にプロスポーツ選手を目指す子供は大抵の場合、小さい頃から学校の部活に入り、部活以外の時間もスポーツスクールに通い、何年も自分の好きなスポーツに情熱を注ぐ人がほとんどですが、夢が叶わなかった人は時間が進むに連れてどんどん「才能」という言葉に蝕まれていきます。
小学生から「プロ野球選手」を目指す「Aくん」と「Bくん」が居たとして、一方はそのまま子供の頃から並外れた成績をあげてプロ野球選手になり、一方は大学生辺りで夢が叶わないと自覚して普通に就職する選択をした時、「Aくん」と「Bくん」では何が違ったのでしょうか?
コーチング的にも、個人的にも、その違いは「確信の度合い」によって変わるものだと思っています。
コーチング用語では「自分のゴールを達成する自己能力の自己評価」の事を「エフィカシー」と呼びますが、自分のゴールを達成する為に高い能力を発揮できる人はタイムマシンで自分の将来が思い通りにいってる事を一度確認してきたかのように「そうなる事が当たり前だ」と確信しています。
感覚的に「なれたらいいな」でも「なりたい」でもなく「当然そうなってる」という状態です。
先ほど「タイムマシンで未来の自分を確認してきたかのように」と言いましたが、実際に小学生の頃に将来の自分をタイムマシンで見学に行き「メジャーリーグで活躍する世界中から注目を浴びる自分」や「スポーツ用品店や高級ブランドショップでモデルとして採用されている自分」を目にした後に小学生時代に帰ってきたら、「なりたい」とか以前に「将来の自分は凄いことになってるぞ!」と確信できると思います。
それこそ4分の壁を超えたロジャー・バニスターを目にしたかのように。
「アファメーションには自分のブリーフシステムを現状の外側でゴールを達成している自分に変えてしまう効果がある」
とお伝えしましたが、その過程において人間は二人分の人格をまとめて持つことはできません。
CDプレイヤーに12曲入りのアルバムを入れても12曲同時には再生できないように、どんな多重人格者だろうと表に出せる人格は一つだけです。二人分の人格を同時に持つ事が出来ないので、アファメーションを実践する過程で「現状の自分」と「現状の外側の自分」のせめぎ合いが起こります。
その時、どうやって「現状の外側のゴールを達成している自分が本当の自分だ」と確信できるのでしょうか?
それには、アファメーションの実践において重要なもうひとつの概念「リアリティ」が関係してきます。
コーチングプログラムの中にリアリティを作るための方程式があり、その方程式が「I×V=R」です。
頭文字だけで表されているのですが具体的には
「Image(イメージ)×Vividness(臨場感)=Reality(リアリティ)」
となります。
ゴール設定と組み合わせて言えば「ゴールを達成している自分をイメージして、その自分に強い臨場感を感じるとゴールを達成出来ている自分が現実になる」という仕組みです。
当たり前のことですが、コーチングを実践していなければイメージは今の自分を想定し、そのまま今の自分に臨場感を感じて、今の自分が現実になるという状態を維持しています。
ゴール設定の説明をしているときに「現状の外側」にゴールを設定することが重要だとお伝えしましたが、現状の中にゴールを設定してしまうとImageもVividnessも値が変わらないので解になるリアリティもそのままになるのが分かると思います。
コーチングのルールに則ったゴール設定をちゃんと行ったのであればイメージの部分を今の自分ではなく、現状の外側の自分に変える事ができるようになります。
ただ、それだけではVividness(臨場感)が足りません。
掛け算の方程式なので極端な話、どれだけちゃんと現状の外にゴールを設定したとしても、ゴールを達成している自分に臨場感を全く感じなければVividness(臨場感)の値にゼロが入っている状態です。
小学生の算数で習う事ですが、普通の簡単な掛け算で片方にゼロが入っているとどんなにもう片方の数字の値が大きくても答えはゼロになります。
子供の頃に心から憧れる大きな夢を抱いていた人の中でも成功する人、しない人と2つに別れた理由を考えた時、この方程式に当てはめていただくと納得のいくケースが多くあること、ご理解いただけると思います。
アファメーションについてのおさらい
一度改めておさらいをしましょう。
ここではまず、アファメーションの実践に入る前にアファメーションそのものの仕組みについて集中して解説していますが、実はここまででもまだまだ足りないくらいにアファメーションはコーチングのあらゆる概念と密接に関係しています。
今回、アファメーションを理解してもらう為に解説したものは「ブリーフシステム」「ゴール設定」「I×V=Rの法則」の3つです。
「ブリーフシステム」は「信念の体系」を表し、人の行動を規定しています。
そして、「信念(ブリーフ)」の一つ一つは「外部からの言葉を受け入れることからできたもの」であり、まとめると「外部から言われて受け入れた言葉が自分の無意識な行動を規定していること」がわかります。
そして、「ゴール設定」には3つの重要なルールがあり、そのルールに則ってゴール設定をしているかどうかでコーチングを実践した結果が大きく変わってしまうこと。
そして、なぜゴール設定とその扱い方によって自分のパフォーマンスが大きく変わるのか?を「I×V=Rの法則」を用いて解説しました。
この記事のテーマは
「この記事をブックマークして都度確認しながら実践してもらえれば誰でも独学で効果的なアファメーションを作り、適切に実践できるようになる」
ことを前提に書いているので、コーチングに用いる知識の中から掻い摘んで3つの概念のみでアファメーションの働きを解説しましたが、まだまだ覚えようと思ったら学ぶべきことは多々あるのでぜひコーチングプログラムの開発者の1人である苫米地英人氏の動画も合わせてご覧ください。
【完全版】苫米地メソッド013「エフィカシー完全版」苫米地英人※2016年10月13日収録
【完全版】苫米地メソッド012「コンフォートゾーン完全版」苫米地英人 (2016年9月11日収録)
苫米地メソッド「スコトーマの原理」苫米地英人
2.確実に効果を出すアファメーションを作る為に守りたい11のルール
では、ここまでを踏まえてアファメーションの正しい作り方も覚えていきましょう。
アファメーションは一見おまじないのようにも見えますがコーチングプログラムとして正しい作り方とやり方があるもので、もちろん正しくない方法で実践しても効果はそこまで見込めなくなってしまいます。
ここでは正確な作り方のルールを把握するために故ルー・タイスと共にTPIEの開発に携わっている苫米地英人博士の「コンフォートゾーンの作り方」という本から自分一人でアファメーションを正確に作るために重要な11のルールを確認していきましょう。
【アファメーションの作り方】
1.一人称であること
一人称で書き、主語を「私」にします。内容も個人的なものにする。
2.肯定的に書く
「こうなりたくない」「欲しくないもの」は排除し、「こうなりたいもの」「欲しいもの」についてのみ書く。
3.現在進行形で書く
「今まさに○○している」「今起こっている」などのように、現在進行形で書く。
4.「達成している」という内容にします
「私は○○を持っている」「私は○○だ」「私は○○をする」などの言い回しを使って、すでに達成しているという内容にする。逆に「私は○○することができる」「私は○○したい」「私は○○しなければならない」という表現は使ってはいけない。
5.決して比較をしない
自分自身の変化と成長のみをしっかりと思い描き、「他人と比較してこうだ」という記述をしないようにする。
6.行動を表す言葉を使う
打ち解け、くつろいだ態度でそれを成し遂げている自分自身の行動を表現する言葉を使い、その様子を書く。
7.感情を表す言葉を使う
ゴールを達成した時にあなたがいかに感動するか、その感動をあなたに正確に呼び覚ます言葉を使って書く。
8.記述の精度を高める
的確で詳細な記述になるように、言葉の精度を高め、言葉の中に、不要なあいまい性がないかをよく検討し、それがある時は書き改める。
9.バランスをとる
ゴールの中に、あなたの人生におけるさまざまな分野を調和よく組み合わせる。それは家庭、余暇、社会(地域)、精神性、教育、ビジネス、健康、親族関係、キャリア、財産などについてよく調和させ、1つひとつのアファメーションが互いに矛盾しないようにする。
10.リアルなものにする
アファメーションの中にゴールを達成した自分自身が見えるくらい、リアルな記述にする。
11.秘密にする
あなたの個人的なアファメーションのほとんどは、誰かと共有する必要がありません。
ここまでの11点が本来、アファメーションを作るときに守るルールです。
世の中にコーチングと関係なく一人歩きしてしまっているアファメーションの例文や解説などを見ると、この11個のルールが守られていないアファメーションも非常に多く目にしますが、用法用量を守らず自己判断で薬を飲むような時と一緒で、その場合効果が出なかったとしても不自然なことではないでしょう。
特に3つ目の「現在進行形で書く」と、4つ目の「達成している」という内容にする部分が守れていないアファメーションはやればやるほど自己変革とは逆に現状維持を補強してしまう典型的な失敗パターンに嵌りコーチングにおいては不利益しか生まれません。
アファメーションのルール内にも「記述の精度を高める」というルールがありますが、自分が語りかけているアファメーションの内容がこのルールを守れていないようであればまずはそこから直していきましょう。
3.【ジャンル別】土台として利用できるアファメーション例文集
アファメーションの正しい作り方が把握できていれば少なくともアファメーションで使う文章そのものが災いしてアファメーションの効果が出なくなってしまうことはないでしょう。
ただ、とはいえ始めてアファメーションの正確なルールを知り、11個のルールを守りながら自分のゴールに合わせてバランス良く複数のアファメーションを作っていくとなると一つの納得のいくアファメーションを作るだけでも結構な負担になるかと思います。
そういった煩わしさを解消するため、ここでは自分でアファメーションを作るために土台として利用できるような例文をいくつかジャンル別に分けて記しておきます。
汎用性を高めるため、なるべく多くの方に共通した一般的なゴールに活用できるような表現にしていますので参考にしていただいた上で、自分のゴールに合わせて記述の精度を高めていただければ幸いです。
アファメーションの効果を認め、スムーズに習慣化するためのアファメーション
私は自らに語りかけ、その言葉を受け入れる事で私の人生が更に豊かで素晴らしいものになる事を知っている。毎日、継続的に私に語りかけ続けることであらゆる可能性が切り開かれていくことを強く実感できるのが自分らしくて心地いい。
仕事のゴールを達成するためのアファメーション
私が仕事をしているのは、私が働くことを選んだからだ。
私は自分で選択した、自分の心からやりたい仕事を大いに楽しみ、軽々とゴールを達成していく気持ちの良い毎日を過ごしている。
お金に関係するファイナンスのゴールを達成するためのアファメーション
私は影響力を持ち、多くの人から尊敬される貴重な存在だ。日々のあらゆる場面で私にしかできない機能を社会に提供しており、その機能が周囲の多くの人たちを幸せにしている。
私は日々、自己投資を惜しまず多くの事を学び、私自身の価値を高めている。私自身が多くの事を学び、よりクオリティの高い働きを社会に提供する事で多くの人たちの人生を豊かにしている事が誇らしい。
趣味のゴールを達成するためのアファメーション
私はバランス良く、フルに人生を楽しんでいる。
日々、あらゆるものに目を向け、その価値を理解し認めることで視野が広がり、自分の価値観が成熟していくことが新鮮で楽しい。
身体的な健康のゴールを達成するためのアファメーション
私は、いつも自然に健康的な生活習慣を維持している。
日々の健康的な生活習慣から、私の体が常に深くリラックスした心地よい状態を維持し、自信に満ちた100%のパフォーマンスをどんな時でも発揮できている事が自分らしくて気持ちいい。
精神的な健康のゴールを達成するためのアファメーション
私は、私以外の何者からも、私自身の過去からも、完全に自由な状態で叶えたい未来に向かって今を幸福に過ごしている。
健康や美容に対する熱意を維持し続けながら周囲の人間関係も良好に保つアファメーション
私は毎日、心も体もあらゆる面でますます美しくなり続けている。内面、外面共に美しく、自信に満ち溢れた私は周囲から尊敬されるに相応しい人間であり、私を見て多くの人達が、自分も自らの手で更に成長しようと行動し始める事が誇らしく、毎日力がみなぎってくる。
ボランティアや平和活動など社会性のあるゴールを達成するためのアファメーション
私は世界中のあらゆる人種や文化、歴史、価値観を理解し、尊重しながら平和で戦争や差別のない等しく豊かな社会の実現に向けて誠実に行動している。
私が自分のゴールを達成し続ける事で、日々多くの人たちが目に見えて幸せになっていることが心地よく誇らしい。
4.アファメーションのやり方|作り上げたアファメーションを効果的に利用できる2つの重要なタイミング
アファメーションの正確な作り方を学んだら次は効果を出していくための望ましいやり方を覚えていきましょう。
アファメーションは一見非常にシンプルなものですが、その実践に至って効果が発揮される過程には人間の脳の働きを利用した様々な仕掛けが施されています。
アファメーションのやり方で効果を出すために重要なポイントは、その仕掛けを自分自身が深く理解し、自然と「これなら効果が発揮されて当然だ」と確信できるようになる事です。
アファメーションを自分で学び実践するようなセルフコーチングの場合、対面して間違いを正してくれる専門家がいるわけでもないので実践することもコーチングの理論を理解するのも全て自分の判断のみで行動する事になります。
逆に言えば全ての判断が自分に委ねられる事によって、お勉強が足りないタイプの偽物のコーチに間違ったコーチングを施されて不利益を被る事もなく、正確に理解すればするほど自分自身が他者にもコーチングをするに相応しい人間に成長できるメリットはありますが「本当にこれで良いのかな…」という感情が拭えるまでには相応に個人差があるところです。
そういった個人差を解消するための堅実な方法はやはり「正しい情報を遵守して実践する」事に限ります。
コーチングプログラムの開発者である苫米地英人博士の著書から、初心者でも的確に効果が出せるようアファメーションの望ましいやり方について確認していきましょう。
まず、アファメーションを実践するタイミングについては『「言葉」があなたの人生を決める』という本で、こう記しています。
自分に語りかけるタイミングと時刻にルールはありませんが、一番いいのは夜の就寝前のひと時です。
就寝前は気持ちもリラックスしているし、そのまま睡眠に移行していけば、アファメーションがより記憶に定着しやすくなります。
試験勉強などで経験したことがあると思いますが、寝る直前に覚えたものは脳が記憶によくとどめるからです。
苫米地博士が記されている通りですが、アファメーションのやり方に触れている部分をその他の苫米地博士の本からも参考にすると「就寝前のような深くリラックスした状態が特に重要」というのがポイントで就寝前以外に朝起きたタイミングでも同様にアファメーションが効果的に働くので、1日のうち朝晩の2回はやる事を推奨されています。
ただ、個人的にアファメーションは効果を出すために継続することが大前提になるものなので、もし朝晩2回というルールを厳格に守ることで継続が難しくなるようであれば、まずは就寝前に1回のアファメーションを継続し続けるだけでも構わないと思います。
そのほか、実践のタイミングに加えて特に重要なのは「情動を活用する」ことです。
アファメーションの作り方で紹介した11のルールでも「感情を表す言葉を使う」というルールがあるので、正しく作るだけでも言葉から情動が想起されて臨場感を感じるようになっていますが、そこに合わせて臨場感を加速させる実践的なポイントがあり、アファメーションを行う望ましいタイミングを紹介する時に引用した苫米地博士の著書『「言葉」があなたの人生を決める』でもアファメーションを高度にするための情動の活用法をこう解説されています。
アファメーションの言葉を自らに語りかけ、同時にゴールを達成した自分のイメージを思い浮かべます。
さらに、いままでの人生で味わうことのできた最高の情動(たとえば、最高に愛された幸福感など)を、そこに結びつけるようにします。
やったことのない人は難しいと感じるかもしれませんが、過去の情動の記憶を、いま思い浮かべる未来のイメージに結びつけるのは、慣れれば簡単なことです。
正しくアファメーションをした事がない限り、今まで情動とイメージを分けて紐づけるような事もしたことがないと思いますので、慣れるまでのハードルはどうしても出てくると思いますが、ここまでを含めて正しいやり方でアファメーションをすることが出来るようになればアファメーションで効果が出ないという結果になることはまずないでしょう。
ここまでの知識があれば必要最低限ではありますが独学でアファメーションを実践したとしてもしっかりとした効果が期待できると思います。
加えて、ここまでの内容を見てアファメーションやコーチングに興味を持たれた方はぜひ関連した書籍などから学びを深めていただければ幸いです。
5.独学でアファメーションを実践する時に陥りがちな2つの疑問
最後にアファメーションを独学で実践しようとする方の不安を解消するために実践にあたって特に疑問に思いがちなポイント2つについて解説していきます。
1.アファメーションはいつまでやり続ければ効果が出るの?
一人でアファメーションをしていると逆に疑問に思わない人の方が少ないんじゃないかと思うレベルのポピュラーな疑問ですが、人によって「変わったな」と自覚するタイミングに個人差があるのでアファメーションを実践している人の中でも言う事が分かれがちな部分です。
「いつまで」と言われた場合の答えで一番信憑性のあるタイミングは恐らく1年〜2年間の継続と言えると思います。
理由としては苫米地博士の著書でときおりそういった説明があるからなのですが、これはもちろんアファメーションの実践1日目から365日目までは何も起こらないという訳ではなく、アファメーションが完璧に生活の中に定着しきって、頼まなくとも自己変革の好循環が無意識に続く状態になるまでを1〜2年間として説明しているのだろうと私は解釈しています。
それ以外に3ヶ月や100日程度が一つの区切りとなり変化が感じられると言う方もいますが、個人的には「いつまで」とは考えず生涯続けていく毎日の歯磨きやお風呂のようなものと捉えて実践するのが一番心地よくアファメーションを実践できるのではないかと思っています。
コーチングにおいてはゴール設定も終わらせなければ終わらないものですし、たった一つの目的の為に短期間を目処にアファメーションをやろうとするよりは就寝前に1回だけでもいいので生涯のライフワークとして実践してみてはいかがでしょうか。
2.アファメーションは催眠や自己暗示、スピリチュアルなものと同じ?
ここも非常に勘違いされやすい部分なのですが、この記事をここまで読み進めているのであればそこまで激しく認識に違いが生まれる事もないかと思います。
もうアファメーションを「なんとなくおまじないをしたら叶うもの」のように捉えている方はいないと思いますが「自己暗示や催眠とは何が違うのか?」についても把握しておきましょう。
例えば自己暗示や催眠とアファメーションの違いについて苫米地博士の著書『コンフォートゾーンの作り方』ではこう書かれています。
自己実現プログラムなどでよく見られるのは、暗示や催眠を使って、現実には貧乏であるのに、私は大金持ちだと思い込ませる方法です。
しかし、こうした暗示が一時的に効果をもたらしたとしても、その思い込みがその人のゴール達成を可能にするかと言えば、決してそうではないのです。
なぜなら、暗示や催眠でできることは、具体的なゴール達成とは無関係だからです。
私にとっては世代が違うので身近なものではありませんが、ルー・タイスがコーチング理論を確立し、多くの人にアファメーションやコーチングを指導した過程で1990年代頃から爆発的にコーチングビジネスが普及したそうです。
その中で普及に一役買った主な人々はルー・タイスの弟子や孫弟子にあたる教え子たちのようですが、あちこちで独自にコーチングスクールや協会のようなものが増えていく過程でアファメーションが自己暗示や催眠と混同されていった経緯があります。
催眠や自己暗示とアファメーションを比べて決定的に違う部分は「ゴール設定」にあります。
例えば金銭的な問題で生活に強いストレスを感じている人を催眠などで一時的に「総資産10億円のお金持ちだ」と思い込ませたとして、思い込んでいる間、強いストレスから解放されて精神的に安定しネガティブな精神状態から本来の自分を思い出すような効果があるかもしれません。
ですが、金銭的な問題を解決する方法を思い付いたり、経営者として生きるための学習を始めたり、自分自身の具体的な行動規範が変わるような成果を出すための効果があるかと言うと、基本的に催眠や暗示はそういった日々の生活態度や行動規範に直接的に関係するものではありません。
この違いが「ゴール設定」、簡単に言うと「目的(ゴール)」に対して「手段(アファメーション)」があるという関係になっている事の違いです。
なんとしてでも達成したいものがある上で達成できる自分に変化したのであれば行動に移さない人はいないでしょうが、そもそもやりたい事がなければ何を持っていても、どんな自分になろうとも行動に移す意味を見出せなくなります。
催眠や暗示とアファメーションの違いと共に、アファメーションがあくまでセルフコーチングのための重要な手段として存在する事もご理解いただけますと幸いです。
おわりに|アファメーションを実践して望んだ通りの効果を出すために最も重要なのは正しい知識と継続力
アファメーションを含めTPIEはNASAや米国国防総省などで採用されているような実績からも、プログラム内で解説されている様々な要素にはきっちりとした科学的根拠があるもので、大前提は正しい理解と継続した実践が必須なものだとご理解いただけたかと思います。
アファメーション自体は非常にシンプルな手法なので、簡潔に実践できる反面頼りない印象を持つかもしれませんが多くの成功者を助けた実績を持つ目標達成にあたって非常に強力なツールです。
もし自分の人生を豊かで素晴らしいものにしたいと考えているのであれば、ぜひ生涯のライフワークとして取り組んでみてはいかがでしょうか。
アファメーションの解説に加えて言葉を活用したセルフコーチングの実践に必要不可欠なもう一つの要素である「セルフトーク」や「セルフトークとアファメーションの違い」についても解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
この記事を読んで「もっと深くアファメーションについて学びたい」と感じたらまずは手に取って欲しいおすすめの書籍3選
さて、ここまでアファメーションを実践するにあたって必要な知識を掻い摘んで解説してきましたが、本音を言えばアファメーションだけに留まらず、TPIEというプログラム自体に興味を持ってもらい総合的に理解を深めてもらえることがコーチングについての情報発信をしている人間にとっては何よりの願いです。
この記事をくまなく読んでもらうことでもある程度、アファメーションやコーチングに対して間違いのない理解をしてもらえるよう細心の注意を払って執筆してはいますが、部分的に理解したとしてもすべてを一度に学べているわけではありませんし、本来ならアファメーションを実践するにあたって必要な知識が段階的に解説されている書籍などを利用して、一度知識の全体像を把握する事が特に重要だと思います。
ということで、最後の最後に「アファメーション」を学ぶためのおすすめ本を3冊紹介し、この記事でコーチングに興味をもっていただけた方が次のステップへ進むための案内をして終わりにしたいと思います。
1.「言葉」があなたの人生を決める|苫米地英人(著)、マーク・シューベルト(監修)
アファメーションを学ぶにあたって紹介したいおすすめ本の1冊目は『「言葉」があなたの人生を決める』です。
アファメーションはTPIEというコーチングプログラムで活用されている技術の一つだと冒頭で紹介しましたが、この本はそのTPIE開発者の一人である苫米地英人博士が書いているアファメーションの入門書です。
さらに本の監修をされている「マーク・シューベルト」は水泳やオリンピックに詳しい方なら言わずもがなですが、米国オリンピック代表水泳チームの監督をされておりオリンピックメダル獲得数史上1位の記録を打ち立てたマイケル・フェルプス選手のコーチとして有名です。
この本はそもそも内容紹介でも「アファメーションの入門書」として書いたと紹介されている本であり、よくある専門分野の解説本のような、分厚くて本自体をパッと見ただけでも読み進めるのが億劫になってしまうタイプの本でもないため、本を読む習慣がなく長時間活字とにらめっこをするだけでも苦しくなるという方であってもある程度楽に読める本だと思うので、まずはこの本から手に取ってみてください。
2.コンフォートゾーンの作り方【聴くだけで目標達成できる!CD付】~図解TPIEプログラム~|苫米地英人(著)
2冊目は「コンフォートゾーンの作り方」という本で、こちらも著者はTPIE開発者の一人である苫米地英人博士です。
こちらはアファメーションを含めTPIE全体の理論を1冊にまとめて図解付きで解説されている本となります。
1冊目の『「言葉」があなたの人生を決める』と比べて「アファメーション」に強く比重を置いた内容ではなく「コーチングプログラム」を解説する本として執筆されているため、アファメーションから広く捉え「TPIEを学んで自分の人生に活用していく」ために読んで欲しい本となっています。
アファメーションに対しての理解がある程度進み「面白い!」と思うようになったら、もう一段ステップアップのために手に取って読んでいただけたら幸いです。
3.アファメーション|ルー・タイス(著)、苫米地英人(監修)
3冊目の本はその名の通り「アファメーション」という本で、著者は「ルー・タイス」、そして監修に1冊目と2冊目の著者である苫米地英人博士が参加しています。
こちらの本はアファメーションやTPIEというコーチングプログラムの原点ともいえるような本ですが、かなり前に書かれたものですし、最初の2冊と比べると内容が非常に濃い反面「上級編」のような扱いになるかと思います。
内容というより、コーチングの祖であるルー・タイスの言葉が生々しく感じ取れる本でもあるため、最初に紹介した2冊を何度か読んでコーチングプログラムの理解度に自信が出た段階で触れるのをおすすめします。
「学んでいる人」の言葉より「開発した人」の言葉を知るのが何より重要
私の記事でコーチングに興味を持ち、贔屓にして学んで下さっている方であっても、もし「コーチングをもっと知りたい!」という気持ちが芽生えたとしたら私のサイトの記事で学ぶのもほどほどに、まずは「学習している人間」の言葉ではなく「開発した本人の言葉」に触れてもっと深く学んでほしいというのが大前提の願いではあります。
私からコーチングを学んでほしいというよりは「わかんなかったら教えるから一緒に学ぼうよ」というスタンスで情報発信を続けているので、ぜひ一緒に楽しんでコーチングを実践しましょう。
アファメーションは実践するために膨大な金額の受講料が必要なわけでもなく、大掛かりな機材が必要というわけでもなく、ただ「しっかりとした理解」さえあれば今すぐにでも始める事ができますし、そこまでハードルが低いにもかかわらず得られるメリットには歯止めが効かない非常に便利な技術です。
本記事を読んで「もうちょっと調べてみてもいいかな?」と少しでも興味を持たれたようであれば図書館で手に取ってみるところからでも良いので、まずはこの3冊から読んでみていただけると幸いです。