コンフォートゾーンとは

当サイトで推奨しているTPIEというセルフコーチングプログラムにおける様々な専門用語の解説記事になります。

今回は『コンフォートゾーン』についての解説になります、当サイトでの学習にあたっての基礎知識の確認にぜひご利用ください。

その人にとっての『快適な状態』

コンフォートゾーンはスコトーマもそうですが元々心理学会が利用していた用語です。

人間の『平熱』という感覚が分かりやすいと思いますが、生き物にはそれぞれ生活するにあたって望ましい「心身の状態や環境」があり、基本的にはそれを指してコンフォートゾーンと呼んでいました。

生き物には共通して「個体を保存して種を保存する」ためのコンフォートゾーンがあります。

簡単に言えばどんな生き物でも意識する、しないに関わらず「健康を維持して自分の子孫を残したい」と当たり前に思っているという意味ですが、「そう思うこと」をコンフォートゾーンと呼び、「そのコンフォートゾーンに自分を維持しようとする働き」を『ホメオスタシス』と呼びます。

『コンフォートゾーンとホメオスタシス』はコーチング的な解釈でも『2つで1つ』として覚えてしまったほうが良い概念なのでここでまとめて解説をしていきます。

人間の生体維持機能『ホメオスタシス』について

まず、コンフォートゾーンとホメオスタシスそれぞれの言葉の意味を再整理しましょう。

コンフォートゾーン→『自分にとって望ましい心身の状態や環境のこと』

ホメオスタシス→『自分にとって望ましい心身の状態や環境から離れないように維持、修正する機能』

それぞれをこう捉えていただくと分かりやすいかと思います。

心理学的に、生き物全体で

「病気もせず元気に暮らして次の世代を育てていきたい」

というのがコンフォートゾーンであり、例えば交通事故のような不慮の事故があった時

「不幸にも交通事故に遭ってしまい救急車で病院に運ばれている…妻や子供のためにも死んでたまるか…!」

と、自分にとって不快な状況から快適な状態へ、心身の状態や環境を含めて戻そうとする働きの事がホメオスタシスだと捉えると分かりやすいと思います。

ここまでの説明は心理学の分野で使われる際の説明ですが、この2つの用語が人間の働きを上手に説明するように、コーチングの分野でも「目標を達成する人の働き」を説明するのにとても便利なのでコーチングの世界でもこの2つの用語が使われるようになりました。

そのきっかけは「ホメオスタシス」に対する1つの発見であり、「サイバーホメオスタシス仮説」と呼ばれています。

サイバーホメオスタシスとは

心理学的に表現するホメオスタシスは冒頭から説明している通り「生き物としての基本的な機能」であり、簡単に言えば生き物がなるべく死なないように気をつけて生きるための標準機能のような認識でした。

TPIEの開発者の1人に「苫米地英人」という機能脳科学者の方が居るんですが、この方が「サイバーホメオスタシス」という仮説を立てる事からコーチングの分野にもホメオスタシスやコンフォートゾーンの概念が導入されていきます。

ではサイバーホメオスタシスとは何かと言うと、心理学とコーチングでの『ホメオスタシス』の捉え方の違いは情報空間にあります。

サイバーホメオスタシス→生物学的な役割以外に、人の脳は情報空間上でもホメオスタシスが働く

情報空間という表現が捉えにくくしますが一先ず、「生きるか、死ぬか」というレベルの変化以外に「人前に立つの緊張する…」とか「偶然招待されちゃったけど、こんな高級レストラン自分なんかが入っていいのかな…?」と思うような心の働きにもホメオスタシスが働いているというのがサイバーホメオスタシス仮説と呼ばれる成り立ちです。

(※今は恐らくですが心理学会でもコーチング業界でも情報空間を含めた上でわざわざサイバーと付けずにホメオスタシスと呼んでいると思います。)

よく、家の中でだけ態度が大きく、外に出るとまるっきり萎縮してしまう人を「内弁慶」と呼んだりしますが、そういった方を「自宅がコンフォートゾーンの人」と捉えると情報空間でホメオスタシスが働いていることがわかりやすいのではないかと思います。

現代社会とホメオスタシス

コンフォートゾーンとホメオスタシスそれぞれが、人間が快適に生活するに当たって重要な役割を持つことをお伝えしました。

次は現代社会の特徴からコンフォートゾーンとホメオスタシスがどういった効果をもたらすのか解説します。

現代社会において自分を守る為のホメオスタシスが過保護に働いてしまうケースがあります。

例えば狩猟行為が当然のようにあった時代であれば生物学的なホメオスタシスの働きは今より重要視されている筈ですが、現代社会においてはいわゆる「Fight or Flight(戦うか、逃げるか)」を速やかに判断しなければいけない状況は極端に減っています。
日本を例に取れば本当に生死に関わるような戦闘行為は人生のうち1〜2回あれば多い方でしょう。

こういった生物学的なホメオスタシスの働きは「自分の命を守る」ためにはとても重要な機能です、実際誰であっても目の前に大きなクマやライオンが現れれば、空手や柔道の達人で『自分の方が目の前の猛獣より遥かに強い』と確信するエフィカシーを持つ人でもない限り、考える前にホメオスタシスが自分を逃してくれます。

この自分が逃げ出す一瞬は「思考が発生していません」

沸騰したヤカンに触れた時に体が考えるまでもなくヤカンから手を離すのと一緒でホメオスタシスが「いいから逃げろ」と指示を出すと考えるより先に逃げ出そうとします。

この、『思考が発生しない』という要因が現代社会において、ほとんどのホメオスタシスが働く機会でデメリットとして働いてしまいます。

『思考が働かない』=『コンフォートゾーンから離れれば離れるほどIQが下がる』事を意味します。

クマやライオンと対峙する時にIQはあまり必要にならないと思いますが、サイバーホメオスタシスとしてお伝えした情報空間にホメオスタシスが働いた状況だと大抵の場合は『IQが下がるとかえって困ってしまうシチュエーション』がほとんどで、これがホメオスタシスが過保護に働きすぎてしまうケースです。

高級な飲食店やホテルで極端に変な行動を取る人

リッツカールトンのような高級ホテルや回らない寿司屋さん、値段が桁違いに高い高級レストランなどに行った事はありますか?

普段全く行かないような格調の高い場所にひょんなことから入ってしまうと大抵の人は「とんでもないとこ来ちゃったな…」と思うでしょう。

ちなみに実体験でお話しすると私は19歳の当時思いっきり恥ずかしい経験をした事があります。

初めて親元を離れて、一人暮らしをするようになり見知らぬ街のあちこちに興味をそそらせながら楽しく暮らしていました。

そんな時、今日の夜は何を食べようとフラフラ街を歩いていると「天ぷら」とだけ書いている小さなお店を見かけました。

ある程度察しはつくと思いますが1000円程度で天丼や天ぷら定食が食べれるような天ぷらのお店ではなく、基本的にコースの名前が書いてあるだけで値段もほとんど時価扱いの高級店でした…

カウンター席について1分ほどで「まずい」と気付いて、それ以降の2分ほどは2分が2時間以上に感じるほどの地獄でした。

後から冷静になると「すいません、お支払いできないので帰ります」と伝えて帰れば、店主の方も明らかに勘違いして入ったことは汲み取ってくれるはずだし、わだかまりなくその場から離れる事が出来たと思いますが、見事にIQが下がった状態の自分は全力で挙動不審な行動を取り続けました。

まず、無意味に席を立ち、小さな店内を眺めるように30秒ほどウロウロしました。

そしてそのあと色々と限界だったんだと思いますが無言でお店の出口に手を掴み、店を出るでもなく、掴んで開けようとして止める。掴んで開けようとして止める。をしばらく繰り返して、最終的に耐えかねて、ここでやっと店員さんに「ごめんなさい、お金がありません」と打ち明けて、ものすごく丁寧にお店から出してもらいました。

人生でも1〜2を争うレベルの地獄の時間でしたが今ではこういった機会に活用できるいい体験だと思うようにしています。

当然、勘違いして高いお店に入ったからといって命の危険にさらされる訳ではありませんが、明らかに自分のコンフォートゾーンからかけ離れた場所に身を置いてしまったことから『情報空間のコンフォートゾーンから外れてホメオスタシスが働いた』例です。

この例から分かる通りホメオスタシスの機能がかえって悪い状況を作ってしまう事があり、その原因は

『情報空間のコンフォートゾーンから外れても、生物学的なコンフォートゾーンから外れても、ホメオスタシスは共通してIQを下げたまま無意識に自分を守る行動に移ってしまう』

事にあるのが分かります。

現代社会においてはいついかなる時でも冷静に論理的な思考を働かせながら行動する事が求められます。

当時の私のように自分の想定していなかった事態が起こった時に、露骨に動揺を隠せず支離滅裂な行動を取ってしまうようでは、例えばビジネスの世界であれば致命傷です。

では、現代社会を生きる上でホメオスタシスが過保護に働きすぎてしまうような状態を防ぐにはどうすれば良いでしょうか?

答えはぶっきらぼうに感じられるかもしれませんがとても単純です。

『情報空間のどこであってもコンフォートゾーンであるように自分の内部表現を書き換える』だけで解決します。

コンフォートゾーンについての知識がある、ないに関わらずこの事を強く意識しているのはプロのスポーツ選手全般です。

サッカーやバスケなど、大半がそうですが「ホーム」と「アウェー」の概念があり、プロのスポーツ選手はどんな環境であっても最高のパフォーマンスを出せるように想定してトレーニングを行います。

コンフォートゾーンやホメオスタシスに関しての知識を深めることはコーチングの知識習得もそうですが『いついかなる時でもIQを下げずに最善の行動を取れる人間』になるためにも役立ちます。

コーチングにおける目標達成に向けての「コンフォートゾーンを活用する方法」

ここまで単純にコンフォートゾーンとは何か?について語ってきましたが、最後にコンフォートゾーンの概念を理解した上で、『どう自分の目標達成に向けて活用するのか』を解説して締めくくりにしたいと思います。

まず、TPIEのコーチングプログラムでは自分の目標を設定するに当たって大事なルールがいくつかあります。

その中の1つでコンフォートゾーンやホメオスタシスの仕組みと密接に関わっているルールが『ゴールは必ず自分の現状の外側に設定する』というルールです。

『現状の外側』という言葉が少し勘違いしやすい部分なんですが、ここでは一例として『今、自然に設定されているコンフォートゾーンの外』と捉えてもらえると理解しやすいかもしれません。

例えば、今現在所属している組織で役職を上げる事(入社した会社で社長を目指す!など)は、現状の外側とは言いません。

今現在所属している会社での出世をゴールにすると、いくら社長に上り詰められる人間が限られていようと現状を強く肯定してしまうため、自分の現在のコンフォートゾーンの中で最善を尽くすべき状態となってしまいます。

コーチングとしてその目標を掲げてしまう事は最悪の選択肢です。

「それがなんで良くないの?」と思われるかもしれませんが、「コーチングをする必要があるか?」と問いて貰えると分かりやすいです。

簡単に言えば現状に満足していて、それ以上を望んでもいないのにゴール達成のサポートをして欲しいとコーチに頼んでもお手上げになってしまうのです。
結婚相談所に結婚してるのに相談しに行っているようなものです。

では、この例における『現状の外』は一体どこにあるのでしょうか?

例えば、会社の役職は抜きにしても『今働いている業界全体の常識を変えて、全く見たことも無いような進化を遂げさせる開拓者になる!』とか『今、会社で働いていること自体に疑問を持っている。自分の理想的な生活や多くの人が快適に暮らせる、新しく理想的な社会を実現させるためにはどうするべきか…』などと考えるのであれば『現状の外にゴールを設定している人、または潜在的に現状の外側にゴールを設定して行動した方がいい人』になるでしょう。

例として伝えるために過程を飛ばしましたが、もしコーチに依頼してコーチングをしてもらう場合は、側に付いてもらいながら「どうゴールを設定したらいいのか」の相談から進められます。

コーチングが昨今注目を浴びやすくなっている要因にもなっている部分ですが、先ほどの『現状の外』として挙げた例は『常識で考えたら目指す事もバカらしく感じるほど無謀な欲求』です。

ポジティブな欲求にしても『業界を大変革させる先駆者、業界を担うリーダーに自分がなりたい』という欲求ですし、ネガティブなタイプの欲求でも『どういう結果に落ち着くにしろ、今までにない新しいライフスタイル』を求めています。

こういった目標は、従来のマネジメントやコンサルティングのようなものでは叶えようがないものですが、コーチングであれば十分に可能、というかそうなってこそコーチングの領分に入ります。

クライアントが過去にどんな事をしてきたか、今持っている能力などの実績を再整理し徹底的に合理化しながら『今の自分のベスト』を維持し、少しづつ成長するのがマネジメントやコンサルティングだとすれば、コーチング的に言うと『今のコンフォートゾーンの棚卸し』をしているようなもので、今の自分を強く肯定していることに変わりなく、安定していて下に落ちる事はなくなるかもしれませんが目覚ましく進歩する事に関しては弱いものです。

今のコンフォートゾーンを肯定しながら現状の外にあるゴールが達成できないのは、もう察しがつくと思いますが『ホメオスタシス』が働き出すからです。

人間の脳はネガティブかポジティブかに関わらず、情報空間を含めた環境の変化に対してホメオスタシスが働き、とにかく普段通りの自分に戻そうとします。

そんな中、コーチングを導入すると現状の外側にあるゴールだろうと自然と達成してしまう。

そのエッセンスは、コンフォートゾーンを使って説明すると『自分の今のコンフォートゾーンを、ゴールを達成している自分のコンフォートゾーンに変えること』です。

今までコンフォートゾーンとホメオスタシスについて解説してきましたので、この一言だけで『なぜ、一般的に無謀に見えるようなゴールでもコーチングを導入することで達成できるのか』がお分かり頂けると思います。

コンフォートゾーンは生物学的な範囲も含めて「自分が心地よく安心していられる心身の環境」のことを言います。

そして、ホメオスタシスは「自分がコンフォートゾーンの外側にいるとき、無意識になんとしてでもコンフォートゾーンの中に戻ろうとする働き」を指しているとお伝えしました。

そうすると、現状の外側として設定したゴールに自分のコンフォートゾーンが移ってしまうとどうなるでしょうか?

自分のホメオスタシスが居ても立ってもいられなくなり、頼んでいるわけでもないのに無意識も総動員して、なんとしてでもゴールを叶えている自分でないといられなくなります。

これが出来ることからTPIEのコーチングプログラムは「努力をせずとも当然のように圧倒的な結果を出すことの出来るコーチングプログラム」であることを自負しています。

そして

『どうやって自分のコンフォートゾーンを、当然のようにゴールを達成している自分に合わせるのか?』

については『アファメーション』という技術があります。

大きな特徴としては、自分で作った肯定的な言葉を唱えることで自分の望んだ世界の臨場感を簡単に生み出せる事が一番の特徴です。

コンフォートゾーンについての理解を深めるための解説記事なのでアファメーションについて細かく解説はしませんが、一にも十にも自分の現状の外にあるゴールを達成するにはアファメーションが関わってきますので、ここでは『TPIEにおいてとても重要な技術だ』とだけ認識してください。

ここまでが、コーチングにおいてコンフォートゾーンとホメオスタシスが自分の目標達成に向けてどう働くのか?という部分についての解説になります。

この記事がTPIEを学ぶ方、コーチングやセルフコーチングに興味を持ち情報収集している方にとって有益なものになれば幸いです。

プログラムの開発者である苫米地英人氏の解説動画もYouTubeで見ることができます。

最後に、TPIEの開発者の一人である苫米地英人氏の『コンフォートゾーン』についての解説動画もあるので紹介いたします。

当たり前ですが『勉強している人間』より『作った本人』の解説の方がプログラムの理解にとって重要です。

当サイトでセルフコーチングに興味を持ってくださった方はぜひこちらもご覧ください。

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